笑顔が止まらなかった。日本ハム矢野が、決勝打でヒーローになった。同点の6回2死満塁、代打で出場。「気合で打ちました」。持ち前の気迫あふれる一振りが、二遊間を引き裂いた。決勝の中前2点打。大興奮のあまり、一塁コーチャーの川名外野守備走塁コーチにタックル。一塁側ベンチで歓喜する仲間には、何度も拳を振り上げた。「あんまり覚えていない。自分が打ったことと、チームメートがガッツポーズしていることだけ」。一瞬、頭もショートするほど喜びが爆発した。

 思いを塗り替えた。東京ドームは15年6月まで在籍した、巨人の本拠地。「(東京ドームは)芝が柔らかくて、足に優しいくらい。もう特にない」。なじみ深い球場で移籍後、初打点をマークした。

 お立ち台ではファイターズ愛がさく裂した。一端インタビューが終了も、慌てて「2017年、ひと味違います…。まずファンビシャス!」と、今季チームスローガンをポーズ付きで披露。続いて決めゼリフ「ファイターズ サイコー!」を絶叫した。主催試合では最多観客動員となった4万5102万人も大満足した、ハッピーエンドの主役にふさわしかった。

 ▼日本ハム矢野がロッテ戦5-5の同点だった6回2死満塁から代打で登場し、中前に勝ち越しの2点適時打。15年6月に巨人からトレード移籍してきた矢野は、期待されている代打起用で、15年は21打席3安打2四死球1打点、16年は34打席5安打5四死球1犠飛8打点、今季は14打席3安打1四球3打点。