尾道5連勝じゃ~! 広島が今季14度目の逆転勝利でDeNAを下した。2年ぶりの広島・尾道市の「しまなみ球場」での主催試合。1点リードされた5回に打者10人を送り込む猛攻で一挙5得点。DeNA浜口をノックアウトした。3連勝で貯金は8。尾道では09年6月8日から5連勝。ファンも熱いし、ええとこじゃね~。

 左翼ポール際の一角を除き、広島・尾道市の「しまなみ球場」が真っ赤に染まった。マツダスタジアムから約90キロ移動しての地方試合。コンコースには名物「尾道ラーメン」の屋台も出された。2年ぶりの開催とあって試合開始前にチケットは完売で、球場周辺は大渋滞。ここでも地の利は健在だ。逆転勝利で尾道では09年から5連勝となった。

 市内の160以上の施設が国宝、重要文化財に指定され、港町として約800年もの歴史を持つ。市のキャッチフレーズは「心ころころ尾道」。趣深い歴史と、温かい大声援に心を揺さぶられるようにコイ打線が応えた。1点を追う5回に、一気呵成(かせい)の攻撃だ。DeNA浜口には前回対戦の4月18日でも5回1得点。この日も、4回まで無安打に抑えられていたが、一丸で襲いかかった。

 エルドレッド、新井が連続四球。ペーニャも中前打で無死満塁とし、石原が「何とかくらいついていきました」と左翼への同点犠飛。野村も歩くと、次々につながった。田中が「祐輔が頑張っていたから打ちたかった」とフォークを拾って決勝の右前適時打。続く菊池は「絞っていった」と初球のチェンジアップを左前に運んだ。丸も押し出し四球で浜口をKO。さらに鈴木の犠飛で追加点を奪い、打者10人で5得点だ。

 球場は県内の高校野球強化と、個性をコンセプトに、甲子園とほぼ同じ形で設計された。広陵時代に甲子園のスターだった先発野村も先制こそされたものの、7回5安打1失点(自責ゼロ)で3勝目。打線も8回に再び5点を奪い計10得点。首位阪神に離されない。緒方監督は「ワンチャンスがビッグイニングになった。つながりのある攻撃が出来たね。今日も赤一色に染めてもらって、いい試合が出来た」と感謝した。尾道パワーをもらい、再び本拠地で暴れる。【池本泰尚】