楽天は打線が今季最多タイの20安打、今季最多の15得点の猛攻で日本ハムを圧倒し、3連勝を飾った。先発したエース則本昂大投手(26)が初回に5点を先制されたが、2回に打者11人を送り、5連続適時打を含む7安打、6得点の攻撃で逆転に成功した。1点リードの7回にはゼラス・ウィーラー内野手(30)の6号2ランなど4得点でダメを押した。前日17日には秋田で11年以来の白星を挙げ、この日の岩手・盛岡では13年以来の勝利と、苦手の東北シリーズで連勝し、イーグルスが加速した。

 楽天打線が「鬼門」を吹き飛ばした。好調の打線が今季最多タイの20安打で最多の15得点と爆発。昨年日本一の日本ハムを力でねじ伏せ、梨田監督は「監督の僕もそうだけど、コーチと選手も、ドラマが始まる幕開けのような試合だったと感じていると思う」と目を細めた。

 まさに、ドラマのような逆転劇だった。初回、エース則本が、まさかの5失点を喫した。出ばなをくじかれ、意気消沈する展開となったが、野手の士気は下がらなかった。「1人1人に『やってやる!』という気持ちがあった」と、地元岩手出身で選手会長の銀次が2回に安打で出塁。反撃の号砲を鳴らすと、まずは藤田の左前適時打で1点を返し、嶋が三振の後、2死一、二塁から茂木、ペゲーロ、ウィーラー、アマダーの連続適時打で同点とし、再び銀次の右前適時打で6-5と試合をひっくり返した。7回にはウィーラーの6号2ランなどで4得点。8回にも2度目の打者一巡で5得点を挙げた。

 梨田監督は「ひょっとしたら18-6くらいで勝てるかなと、そんなイメージをしていたけど、少し足りなかった」と冗談交じりに笑った。優勝の機運は日に日に高まっている。この日の勝利で貯金は今季最多の16となった。日本一となった13年も盛岡での試合に勝利し、貯金を16に伸ばした経緯がある。主将の嶋が「チーム全員が、何とかして勝利しようという強い気持ちが見られる」と手応えを口にする。

 これまで苦手にしていた秋田、盛岡の東北シリーズで連勝を飾り、梨田監督は「去年連敗した場所で勝てたことは非常に大きい。秋田、岩手の人たちに喜んでもらえてよかった」と、ほおを緩めた。2位ソフトバンクとのゲーム差は3・5のまま。イーグルスの強さが本物になってきた。【田口元義】