日本ハムが誇る強打者2人のアベック弾も、あっけなく空砲に終わった。楽天7回戦(盛岡)は1回、中田翔内野手(28)が先制の4号3ランを放つと、大田泰示外野手(26)も4号2ランで続いた。一挙5点リードも、先発加藤が2回に逆転を許し、終盤には救援陣が崩壊。今季ワーストの20被安打、15失点で大敗を喫した。ビジター勝率は12球団ワーストの2割となった。

 勢いの違いをまざまざと見せつけられた。中田の先制3ランは、遠い過去の記憶として紛れた。「(先発の)加藤を楽に投げさせてあげられるかと思ったけど…。さすが楽天。最後まで手を抜かないで、きっちり野球をやっていた」。素直に脱帽し、硬い表情のままバスへと乗り込んだ。

 圧勝ムードすら漂った。1回1死一、三塁で、主砲が放った左翼席への先制弾。さらに2死一塁となり、大田にも弾丸アーチが飛び出した。難敵と目された楽天則本から、初回だけで5得点。2人のアベックアーチは、1試合7発の球団タイ記録をマークした今月12日のロッテ戦以来。盛岡の敵地ファンを、一瞬で静まりかえらせた。

 しかし、2回に6点を奪われ逆転されると、立ち直った則本に中盤以降は打線も沈黙。4回から7回まで8三振とボールが前にも飛ばず、大田も「初回だけで終わったのが悔しい」。自己最多に並ぶシーズン4号アーチにも、うれしさは皆無だった。

 快調に白星を積み重ねてきた5月も、楽天に連敗を喫してブレーキがかかった。初回に大量リードしながら、結果的には今季ワーストの20被安打、15得点の惨敗。先発加藤の評価を問われた栗山監督も「見ての通り」。明日19日からのオリックス3連戦は、8勝5敗と好成績を残す本拠地・札幌ドーム。心強い後押しを受け、地元で仕切り直す。【本間翼】