さあ、決戦。仙台6大学野球の春季リーグ最終節が27日から行われ、勝ち点4同士の首位仙台大と2位東北福祉大が対決し、勝ち点を取ったチームが優勝となる。勝率では首位の仙台大は、4年生ダブルエースの岩佐政也(柴田)と馬場皐輔(仙台育英)で、連勝Vを狙う。東北福祉大は中継ぎ、抑えの右横手投げ、小野憲生(4年=弘前学院聖愛)が試合の中盤、終盤の鍵を握る。優勝校は全日本大学野球選手権(6月5日開幕、神宮ほか)に出場する。

 最上級生になったこの春、ようやくリーグ戦デビューした小野が、仙台大との決戦に静かに闘志を燃やした。「任されたイニングをしっかり投げられれば」。苦しい時期を乗り越えたからこそ「投げさせていただいている。それが幸せ」と、実感も込めた。

 東北福祉大入学後から右肩に痛みがあった。「その時から我慢してやっていた」(小野)が、右横手から繰り出される球は、うそをつかなかった。弘前学院聖愛(青森)のエースとして武器にした最速142キロの速球やスライダー、シンカーは本来の切れが戻らないまま。トレーナーの助言もあり、3年生の昨年5月に「痛いよりはまし」と右肩の手術を受けた。

 「もう1度も投げられないんじゃないか、と不安があった」と明かした。それでもマウンドに立てることを信じ、リハビリに励んだ。今年1月に本格的な投球練習を再開。大塚光二監督(49)は「よくここまで回復してくれた。練習は手を抜かないし」と言い、小野の必死の思いが伝わった。