楽天にあの左腕が帰ってくる。腰痛で開幕前から2軍の塩見貴洋投手(28)が、明日31日に出場選手登録される見込みとなった。同日の巨人との交流戦に先発予定。29日はKoboパーク宮城のマウンドに立ち約60球を投げ込んだ。「ローテを守れるように」と強い決意を示した。

 速球に加えカーブ、スプリット、フォークなど多彩な変化球も確かめた。23日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦で9回6安打完封。昇格へ態勢を整え、27日に1軍練習に合流した。今季初登板に「多少、力むと思う。そこを平常心でいけたら」と、試合の入りに注意を払う。与田投手コーチは「今日のピッチングを見ると楽しみ。今季初登板だから、あまりプレッシャーを与えたくない。いけるところまで」と話した。

 2月上旬のキャンプ中にヘルニアによる腰痛で離脱。「今できることを考えてリハビリしてきた」と、前向きに取り組んできた。交流戦は6連戦が3週間続く。さらに楽天は夏場の7月18日から9月3日まで、すべて6連戦のハード日程となる。パ・リーグ制覇への1つの鍵は先発投手の駒を増やすこと。塩見の復帰はチームが待ち望んでいた。

 入団から6年間の背番号11を、FA移籍の岸に快く譲り今季は17。新しい番号には「何も意識していない」と言うが「粘り強く、崩れないこと。ゼロが一番いいので」。「17の塩見」は静かに闘志を燃やした。【久野朗】