広島前田智徳外野手兼打撃コーチ補佐(42)が、今季限りで現役を引退することを、27日発表した。
前田智の打撃センスはプロの関係者に「天才」と評価された。さらに練習量が多いとされる広島でも他を圧倒した。入団時の監督だった山本浩二氏は「全て人のことを吸収してやろう」との貪欲さに引かれ、2年目でレギュラーに抜てきした。
順調に超一流の階段を上るかと思われた6年目、右アキレスけん断裂の大けがでどん底に落ちた。その後、左アキレスけんも手術。理想の走攻守そろった選手とかけ離れた自らを「がらくた」「前田智は死んだ」「あれは弟」と自虐的に表現した。「どうしていいか分からなくて…、投げやりになったり、精神状態が乱れていたりした」
だが「少しずつ受け入れるようになり、理想とかは置いておいて、どこまでやれるか考え、リハビリを積んで無我夢中でやってきた」と故障と向き合うようになった。リハビリの専門書を読みあさり、負担減にスパイクはミリ単位で調整した。
たぐいまれな才能を持ちながら結局、主要タイトルには縁がなかった。それでも、最後は代打の切り札として存在感を示し、24年間プレーした。「若い時に地味なことをこつこつとやる大切さとかを身をもって知れた。今も続けてやってきたことで、一番の財産かな」と形を変えながら継続した努力に自負を見せた。




