<オープン戦:ソフトバンク4-3巨人>◇2日◇福岡ヤフードーム

 もう脇役じゃない。巨人脇谷亮太二塁手(26)がソフトバンク戦で、レギュラーとしての地位固めに猛烈アピールした。3安打2盗塁と持ち味を発揮。篠塚打撃コーチから「本人がどういう立場か分かっている。レギュラーを意識してると思うけど、そのためには守りも走塁も含めてきちっとこなすのが大事。そういう意味では今日は上出来だったね」と高評価を得た。

 苦手だった内角の球を苦にしなくなった。この日の第4打席には、つまりながらもきっちり中前にはじき返した。昨季使っていたヤクルト宮本モデルのバットを改良。このキャンプでしんの部分が少し細いタイプを使って苦手克服に取り組んだ。「追い込まれてからも粘れてるし、今はしっかりボールが見えている。いい感じで振れている」と、打撃の感触はいい。

 開幕レギュラーが予想される巨人の野手8人の中で唯一絶対的なレギュラーとは言えない立場。年俸でも推定2500万円と、他の7人とはケタが1つ違う。そういう立場だからこそ「何年もかまってもらえないと思うし、今年はレギュラーとしての地位を確立する年にしたい。全試合出るつもりでいる」と必死さを前面に出してやっている。

 原監督も「脇谷らしい形。守りを見てても集中して、攻撃的な守備に見えてきた。たださばくだけじゃなくていい方向」と褒めた。全試合任せられる存在になって欲しいからこそ、総合力で評価する。大砲ぞろいの超強力打線の中、つなげて走れて守れる脇谷の存在が、大きくなる時がきっと来るはずだ。【竹内智信】