巨人は2日、ジャイアンツ球場で休日返上の緊急練習を行った。3日からの9連戦を控え、先発投手陣以外は休養にあてる予定だったが、1日広島戦で今季3度目の完封負け。チーム打率は2割3分3厘まで落ち込んで5位転落。休日返上が決まった。

 まるでキャンプのような光景だった。原監督以下首脳陣は全員参加し、06年夏以来となる休日返上の緊急練習。主将阿部が円陣を組んで「練習をする意味を理解してやりましょう」との号令でスタートした。小笠原、木村拓、ラミレス、ゴンザレスを除く、主力全員がロングティーで汗を流した。高橋由、阿部は異例の居残り特打。映画「ロッキー」のテーマに乗り、柵越えが続くまで振り込んだ。高橋由は「練習がいい方向にいってくれれば」。好調時の打撃をDVDで繰り返し見た阿部も「ロッキーで燃えたよ。力みがあったが、最後は取れてきた」と必死だった。

 不振で2軍落ちの李は3日のイースタン・リーグ湘南戦(ジャイアンツ球場)で実戦復帰するが、首脳陣は数試合出場させてから1軍に昇格させる方針だ。テコ入れする選手がいないため、自力で調子を上げるしか貧打の打開策はない状況。原監督は「彼ら(高橋由、阿部)は自立した選手だから大丈夫。ロッキーだよ、ロッキー!」。気合を注入し、ゴールデンウイークを逆襲週間にする。【宮下敬至】