<ソフトバンク13-0オリックス>◇2日◇福岡ヤフードーム

 これがお祭りだ!

 低迷していたソフトバンク打線が、うっぷんを晴らすように、今季最多の13得点でオリックスに圧勝した。3度の連続適時打を数えるつなぎの打線に加え、松田、松中の2発など大砲もさく裂した。今季最多タイの17安打、3度目の先発全員安打で連敗を2で止めた。王ホークスが3日から始まる「博多どんたく」の“前夜祭”を猛打で祝い、5月反攻を始める。

 しゃもじを打ち鳴らす音が、やかましいほどだった。入場者に配られたどんたくの必須アイテムに負けない快音をソフトバンク打線が響かせた。「東京から帰ってきてよく打ってくれた。新顔に弱いと言われてるけど粘った。つないでくれたよ」。王監督は勢いよく脱いだ帽子を会見場のテーブルにポンと投げ、ドームでの「前夜祭」を振り返った。

 タイムリーのパレードだった。初回に長谷川、松中の連続適時打でオルティズから2点を先制。3番に座る松中は「昨日の試合でチャンスで打てなかったし、何が何でもランナーをかえしたかった」と3試合ぶりの打点だった。5回1死からは長谷川が追い込まれながら四球を選んで、松中、そして右足の痛みを押して出場を続ける小久保と連続二塁打。メジャー84勝右腕をマウンドから降ろした。

 5回の中押しの4点に続き、6回は敵失に4長短打を絡めて、打者一巡の攻撃で今季1イニング最多5点でダメを押した。「エラーもあったけど取れる時に取っておかないと」と王監督。3度の連続適時打に2本塁打を含めた先発全員17安打で13点を奪って、圧勝。試合後、ドーム内に咲いた花火で前夜祭はフィナーレを迎えた。

 今季も西武の新外国人キニーに敗れるなど「初物」に弱いチーム体質は続いていた。王監督は自ら2年前のオルティズの映像を入手し、ミーティングで情報を与えていた。「出し入れのある投手だけど、みんなよくついていった」。悪夢のサヨナラ負けで西武に負け越し、移動日なしの過酷日程の中で地道な準備が実った。この日、王監督は「体にいいらしいから」と活性水素水を飲みながら東京から福岡へ移動し、散髪を済ませて球場入り。連戦の疲れと気持ちを軽くし、臨んでいた。

 ここ2試合で13安打だった打線が存分に憂さを晴らし、連敗を2で阻止。王監督は「毎回こんな勝ち方?

 したいんだよな」と豪快に笑った。3日、どんたく初日に6カードぶりの勝ち越しをかける。【押谷謙爾】