<中日1-9阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 阪神新井貴浩内野手(31)が、またまた連敗を阻止した。黒星の次戦は、めっぽう強い。1回、1死一塁。小笠原の内角高めに詰まったが、ナゴヤドーム左中間席の最前列まで力で持っていった。先制3号2ラン。首位攻防戦での白星を一気に引き寄せた。

 新井

 詰まり気味でしたけど、うまく体が回転して打てた。入ると思わなかったから、全力疾走していて打球の行方は見ていなかった。やっぱり連敗したくないですから1戦1戦、一生懸命やっています。

 最終回にも適時内野安打で3安打3打点。この試合はもちろんだが今季は敗戦後の試合で、33打数15安打11打点。3本塁打はすべて連敗を免れる試合で放った。8試合のうち5試合が決勝打と勝負強さでチームを救っている。

 開幕直後。タテジマのホーム用とビジター用のユニホームにそれぞれ袖を通し「自分ではよく分からないけど、似合っているとよく言われる。広島戦の時はなんか変な感じでしたけどね」と笑った。FA移籍の大砲が陥りやすい新天地での違和感は抱いていない。

 広島時代もナゴヤドームでは、本塁打王になった05年からの3シーズンで2本塁打と中日投手陣に抑えられていた。お似合いのトラの勝負服では、4月23日にエース川上から移籍1号を放って以来、わずか4戦で2発目。どちらも勝利に直結しているから頼もしい。

 驚異の「昼男」でもある。デーゲームではこれで27打数16安打となり、打率は5割9分3厘。好成績を残すデーゲームがきょうからも3試合続くとは、これ以上の追い風はない。

 チームはリーグで20勝一番乗り。「きょうはいい日になった。また明日から頑張ります」。初夏を思わせる日差しは、ナゴヤドームの屋根に遮られたがその内側で、新井が真っ赤に燃えている。【町田達彦】