<ソフトバンク6-4オリックス>◇3日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク先発大場が打線の援護にも助けられ、今季3勝目を手にした。5回まで3安打1失点。完投ペースでオリックス打線を料理していたが、6、7回に本塁打を浴びるなど「1発病」が顔をのぞかせ、無念の降板となった。「初回に1点取られた時点で完投しようと切り替えたのに。もっとビシッと投げないと。悔しいです」。6回2/3を5安打4失点。4月5日のロッテ戦(千葉マリン)以来、約1カ月ぶりとなる勝利にも、最後まで笑顔は見られなかった。

 ここ3試合で2敗。敗因は本塁打による失点とはっきりしていた。「開幕時と比べて、投球フォームにためがなくなっていた。上下のバランスも悪く、思う球が投げられてなかった」。3敗目を喫した26日のロッテ戦以降は開幕直後のビデオを何度も見直し、悪癖改善に努めた。また、前カードの東京遠征(西武戦)には帯同せず、和田、杉内とともに西戸崎室内練習場で居残り練習。1時間以上もおよぶシャドーピッチングを繰り返し、投球フォームの修正に努めた。

 結果として、この日は2被弾を喫し、被本塁打は2ケタの10本となった。だが、2回から5回にかけては1安打1四球。最速147キロの直球はスピード以上の力を発揮し、スライダーにも本来のキレを感じさせた。フォークボールでカウントを稼ぐ新たな投球スタイルも見られるなど、「進化」の過程であることは間違いない。「勝ちを付けて頂いた野手に感謝です。今度は苦しい展開の試合でも、投球で恩返しがしたい」。もがき苦しむルーキーにとっては、白星が何よりの良薬なのかもしれない。【石田泰隆】