<日本ハム1-7楽天>◇4日◇札幌ドーム

 5連勝中の勢いも「神の子」の前では、無力だった。日本ハムがマー君に、またも軽くひねられた。完封負け目前の最終9回にスレッジの右前適時打で1点を返すのが、やっとだった。今季3戦3敗。昨季から続く田中相手に4連敗を喫した。梨田監督も、完敗を認めるしかなかった。「今のところ、これといって打開策はない。調子が悪い時に勝つしかない」。お手上げだった。

 悪夢のプレーバックのようだった。敵地での4月27日の対戦では、6安打で完封負け。同じように見せ場がないまま、札幌ドームでの田中の初勝利を献上した。唯一のビッグイニングのチャンスは7回。スレッジ、小田の連続安打での無死一、二塁から陽が送りバントを失敗した。持ち前の小技で、勝負どころでミスを犯せば、付けいるスキがないのは当然だった。「2度あることは3度あるって…」。梨田監督のジョークともとれるグチは、悲しく響いた。

 マー君にはこれで今季3試合、26回1/3で3得点。防御率1・03と完ぺきな、お得意さま状態だ。2安打と気を吐いたが、2三振のスレッジも「フォークもすごくいいし、150キロの直球もある。いい投手」と脱帽するしかなかった。この夜、札幌を出発して東京入り。所沢-函館-東京-福岡と日本を縦断する、15泊16日の長期遠征へ出発した。北海道から巣立っていったマー君に、後味が悪い旅立ちの日を演出されてしまった。【高山通史】