<楽天5-7ソフトバンク>◇5日◇Kスタ宮城

 ソフトバンクがようやく借金生活に別れを告げた。延長11回1死二塁、途中出場の大村が楽天小山の144キロの直球を中前に打ち返し、決勝点をたたき出した。「たまには打たんとね」。右太もも裏痛で開幕を2軍で迎え、2日に登録されたばかり。プロ14年間で通算1669安打を記録するベテランは、1本の安打で今季2度目の4連勝に貢献した。

 もう1人の打のヒーローは川崎。初回の二塁打を皮切りに、3打席目に三塁内野安打。1点ビハインドで迎えた9回には、一時、逆転に成功する左前2点適時打を放ち、延長11回にも中前打を放った。しかし9回に放った勝ち越し打直後の走塁死や、11回に先頭打者を失策で出塁させたことに「やっぱりミスがあるとダメですね」と、反省が口をついた。このひたむきさがチームを支えている。

 4月20日以来となる勝率5割復帰。だが試合終了は午後11時13分で「5時間か。どういう試合なんだろうな」と王監督は言った。7回に濃霧で試合が21分中断し、9回には抑えのホールトンが制球を乱した。久米にスイッチしたが渡辺直に左前適時打を打たれて同点とされ、2死後、四球を与えると小椋まで投入した。「勝利の方程式」を担う3投手を、1イニングにつぎ込んだ。「今年はこんなもの。最後まで粘り強くいくしかない。まあ、でも勝ってよかった」。楽天と並んで3位タイに浮上した。【中村泰三】