<阪神5-1西武>◇25日◇甲子園
西武が不運なアクシデントに泣いた。阪神とのリーグ首位決戦第1ラウンドは1点をリードして迎えた7回、3番手の小野寺力投手(27)が3安打4失点と崩れて1-5で逆転負けした。小野寺がフライ処理で三塁の中村剛也内野手(24)と激突して左ひざを痛めた直後、同点、逆転の連続タイムリーを浴びた。阪神投手陣の前に強力打線は1点に抑えられ、連勝は3でストップした。中村は軽いむち打ちと上唇を裂傷し、小野寺は2軍降格となった。
突進してきた体重102キロの巨体が小野寺を襲った。1-0の7回1死二塁。マウンド付近に上がった小フライを捕球した際、三塁手の中村と激突して倒れた。中村は「まさか(小野寺が)いるとは思わなかった。タックルをかましてもうたんで心配でした」。捕球したボールを離さなかった小野寺はすぐに立ち上がるも、体の下敷きになって左ひざを痛めてしまった。
心配して集まったコーチらを制して続投を志願。しかし衝突の影響があったのか、結果は裏目に出た。代打葛城に同点打、赤星に勝ち越し打を浴びた。続く平野にはストライクが入らず、ストレートの四球を与えたところで降板。「自分で投げると言った以上、抑えないといけなかった」。役割を果たせず、悔しそうに下を向いてベンチに戻った。
顔からぶつかった中村も負傷した。激突後、何度も首を押さえながら「軽いむち打ちじゃないかと思います。唇の上の方も切れましたね。まあ大丈夫ですけど」。左ほおを骨折しながらも強行出場を続けている。さらなるアクシデントで体は満身創痍(そうい)だ。
好投の西口を89球で交代させ、継投で1点差の逃げ切りを図った渡辺監督は、流れが変わったプレーに「普通は内野手に任せた方がいいけど、中途半端な上がり方のフライだった。声は2人とも出してたし、歓声もあったから仕方ない」とかばった。両手を広げて捕球するジェスチャーをした小野寺も、打球を追った中村もかけ声は出していたが、互いの耳には届かなかった。満員の観衆でうまった甲子園の大歓声に、声をかき消された。
登板した2試合連続で敗戦投手となった小野寺を、渡辺監督はアクシデントのせいにしなかった。「点を与えた後の四球がよくない。ストライクが入る感じがしなかった。同じような投球が続いて厳しい」。試合後に2軍降格を決め、正津の昇格を決めた。
防御率0点の守護神グラマンまでどうつなぐか。最後は阪神が誇る「JFK」を見せつけられ、現状の課題も浮き彫りになった。ひどい腰痛でコルセットを巻いて采配を振るった渡辺監督には、まさに急所を突かれた痛い敗戦となった。【柴田猛夫】



