右ふくらはぎ痛などから復帰を目指す巨人二岡智宏内野手(32)の1軍昇格が見送られた。10日、イースタン・リーグ西武戦(ジャイアンツ球場)に先発出場。3打数1安打だったが、守備ではトンネルで失策を記録した。試合後、原監督と吉村2軍監督が電話で協議し、早ければ11日からとされていた昇格に待ったがかかった。

 原監督は次の昇格目標が15日の中日戦(旭川)かという質問に「そうなるでしょう」と答えた。吉村2軍監督は「走るスピードが本来の速さまできてない」と説明したが、騒動について球団首脳が激怒。滝鼻オーナーは都内ホテルで行われた読売新聞販売店との会合の中で「二岡の問題ですが、調子を上げてきていただけに、けしからん、我慢できない事態。チームを代表して、心からおわびします」と関係者に謝罪した。

 さらに会合後には騒動が見送りの一因かの問いに「あるかもしれない。選手会長だからね。本来なら(11日からの)横浜戦で復帰してもいいんだけど、巨人はただ単に技術的にいいから上げるんじゃなくて、やっぱり巨人らしい選手を1軍で活躍させないといけない。ああいうことがあれば、僕としてはちょっと待てということになる。横浜の3連戦の最後は日曜のデーゲームで、家族連れや子供がくるだろう。他の球団のことは分からないが、巨人の思想的には合わないね」と厳しい姿勢を貫いた。

 二岡はテレビのインタビューで言及。「自分の立場を考えず軽率でした。山本さんや関係者に迷惑をかけ、深く反省しています。期待してくれたファンも裏切る行動となり、すみませんでした。これからは練習に専念して頑張ります」と謝罪した。

 【竹内智信】