広島コルビー・ルイス投手(28)の復帰ロードが見えてきた。小林投手コーチは14日、15日からの9連戦中に復帰登板することを明かした。当初の予定より調整が遅れているとみられるが、首脳陣は11勝右腕の復帰を見込んでローテーションを作成。18日からのヤクルト戦(神宮)または21日からの中日戦(ナゴヤドーム)で復活マウンドが実現する。

 衝撃の登録抹消から10日経った。握力の低下、腰の張りなど全身の疲労が理由だったが、ルイスは当時「今は無理をしたくない。少し休んでまたチームに貢献できれば」と話し、トレーナーも「10日で戻れると思う」と前向きに考えていた。再登録が可能になる15日の横浜戦(横浜)での復帰も期待された。

 最短での復帰はかなわなかったが、おぼろげながら復帰への筋道は立った。小林投手コーチがこの日「9連戦中に戻ってくる」と明言した。早ければ今週末のヤクルト戦、遅くても週明けの中日戦(ナゴヤドーム)には戻ってくる。

 チーム事情を考えても大黒柱ルイスに無理はさせられない。リハビリ計画はきわめて慎重に進められている。12日に大野練習場で初めてキャッチボールを再開した。「全身の疲労が抜けた」(ルイス)タイミングを見て初めてボールを握った。投球後の様子を見るため13日は軽い練習にとどめ、14日は休んだ。

 今週からは1段階レベルを上げる。15日はキャッチボールを予定。その後の様子を見ながら相手を座らせてのキャッチボールを行い、ブルペン投球再開へのメドをつけるプランだ。調整方法は本人に一任されている。体を一度、完全にオフにしたため再び全力投球できるまでには段階を踏む必要がある。

 小林コーチは「コズロースキーがこの間いい投球を見せてくれた。ルイスがすぐに帰って来てくれなくてもいい状況」と説明した。急がせる必要がないと考えれば、9連戦を締めくくる中日戦がXデーとなる可能性が高そうだ。

 チームは現在、3位と1・5ゲーム差の4位と奮闘が続く。あくまで長いシーズンを見据えての“発展的離脱”。欠かすことのできない剛腕は間違いなく近日中に元気な姿で帰ってくる。【柏原誠】