<ソフトバンク4-5オリックス>◇23日◇福岡ヤフードーム

 オリックスが3位ソフトバンクに競り勝った。5試合を残して早くも7月の月間勝ち越しを決め、クライマックスシリーズ(CS)圏内の3位まで2・5ゲーム差に迫った。7月は12勝6敗1分けの快進撃。そのうち3勝&2ホールドで貢献、この日、無傷の4勝目を挙げたのが中継ぎ左腕の清水章夫投手(32)だ。昨年シーズン途中の6月に日本ハムからトレード移籍したが、コリンズ前監督に1度も登板機会を与えられなかった。今や躍進するチームの完全なラッキーボーイだ。

 3試合連続2ケタ安打で逆転勝利。それでも大石監督代行が真っ先にたたえたのがリリーフ陣の粘りだった。「ナイスピッチング!」。清水が横を通ると大声をかけた。登板数はリリーフのみで13試合。なのに早くも4勝目。この日も7回から1回2/3を無安打に切り抜け8回の逆転劇を呼び込んだ。清水が投げれば逆転勝ちする。そんな「神話」ができあがりつつある。

 昨年6月、日本ハムから木元とともにトレード移籍。本来ならチャンスを与えられてもおかしくないが、1度としてお呼びはかからなかった。今春も2軍高知キャンプスタート。それでも腐らなかった。サイドスロー転向のフォーム固めに必死に取り組んだ。コリンズ前監督退陣の3日前、5月17日にようやく初昇格、初登板。以後、防御率1・50の安定感。躍進する大ちゃん軍団の象徴だ。

 家に帰れば3児のパパ。「子どもがテレビで見ているし、いい顔で投げようと心がけた」。4勝目に「そうなんですか?」と、とぼけたが「もちろん知ってましたよ」と喜びを爆発させた。

 4位ロッテとゲーム差なしの5位は変わらない。それでも3位ソフトバンクとの7月対戦成績は5勝1敗。気がつけばCS圏内に2・5差に迫った。5月以来となる2度目の月間勝ち越しも決定。借金完済まであと4。7月13勝6敗のロッテとともに、間違いなく混パ演出の台風の目だ。

 それでも大石監督代行は知らぬ顔を決め込む。「ゲーム差は見てませんから。今何位かも分からない。5割?

 考えてません。数字を見ても野球は変わらない。一戦一戦必死にやっていくだけです」。25日からは最下位楽天3連戦。西武2連戦の後、8月の球宴明けは北京五輪代表で和田、杉内、川崎を欠くソフトバンクと再び激突する。戦力ダウンゼロのオリックス、大まくりの要素は確かに秘めている。【片山善弘】