<阪神3-4広島>◇7日◇京セラドーム大阪
アニキが檄(げき)が飛ばした。今季初の4連敗。初の同一カード3連敗。ここまで順調だったチームに、かげりが見られるようになり、金本がチームを引き締めた。「広島、横浜とやる時も、中日とやる時のように向かっていかないと」。ふがいない戦いが続くナインに活を入れた。自身は3回に18号を打つなど絶好調。アニキがプレーと檄(げき)で、チームを引っ張り始めた。
口にせずにはいられなかった。試合後の駐車場。愛車に乗り込んだ金本は、取り囲む報道陣を前に、ズシリと重みのあるメッセージを残した。
金本
焦ることはない。でも、気持ちを(対戦相手に)伝えていかないかん。広島や横浜とやる時も、中日とやる時のように、向かっていく気持ちを持たないと。
決して怠慢なプレーが目立っていたわけではない。だが、主砲には覇気が感じられず、どこか物足りなく映った。開幕からつなぎのバッティングに徹してきた3番新井、投手陣を支えてきた正捕手矢野、そして頼れる守護神藤川が五輪でチームを離れ、この日は攻守でマルチな活躍を見せてきた関本も、疲労性腰痛で欠場した。ベストの布陣が組めず、勝ちきれない試合が続く現状に、チーム最年長のベテランとして、どうしても言っておきたかった。
オールスター明けの後半戦。初戦こそ大勝したものの、その後は4連敗。ここまで白星を積み重ねてきたつなぎの全員野球は影を潜め、6位横浜、4位広島を相手に立て続けに黒星を重ねた。首位にいながらも、不完全燃焼が続くチームへの警鐘だった。
口だけでなく、この日もバットで奮起した。3回。2死から平野が左前打で出塁すると、鳥谷がライトに逆転2ラン。続く金本が広島宮崎の真ん中高めの直球を振り抜くと、打球はライトスタンドのフェンスぎりぎりに飛び込んだ。5月7日の巨人戦で鳥谷、矢野が放って以来となる2者連続アーチ。今季18号で、広島に傾きかけていた流れを一時、グッと阪神に引き寄せた。
普段は得意のジョークでチームを和ますが、ここぞという時にはチームへの提言も忘れない。昨年7月には、金本のヒットで二塁から生還しなかった鳥谷に対し「足の速い、いい若い選手が、緊張感とか集中力がないのかと思うよ」と、厳しい言葉で活を入れた。その鳥谷は今季、走塁面で大きく飛躍した。
重みのある金本の言葉が、チームが苦しい状況の中で飛び出した。2位巨人とのゲーム差は8に縮まったが、幸いにも次の試合は4日後の12日。気持ちを切り替えるには十分の時間がある。【福岡吉央】



