<広島3-2ヤクルト>◇28日◇広島
梵が復活打、栗原が決勝弾!
広島はヤクルトとの雨中の接戦を制し、8月の勝ち越しを決めた。19日に1軍再昇格したばかりの梵が4回、復帰後初打点となる同点の適時二塁打。6回には栗原が豪快に左翼席に運ぶ17号ソロを放った。29日からはいよいよ敵地で中日と決戦。プレーオフ進出へ最初の“クライマックス”が始まる。
打球が大粒の雨を切り裂いた。打った瞬間、栗原はバットを放り投げた。歓声が白球を追いかけるが間に合わない。左翼席中段に突き刺さる勝ち越しの17号ソロ。「手応えは、本塁打になると思った」。ダイヤモンドを1周した栗原はベンチで次々にナインとハイタッチ。最後に出迎えた木村とは抱き合って喜んだ。
6回、強い雨が降り出した。2-2のまま雨天コールドの気配さえ漂い始めた。栗原が打席に入る前、主審がいったん試合中断するそぶりをみせたが、結局続行。「雨がひどかった。だから初球ストライクを取りに来ると思った」。ダグラスの初球スライダーをしっかりとらえた。初回にも安打を放ち、これで自己新の17試合連続安打。それでも個人の数字は意に介さない。「今は3位まで何ゲーム差というのがある。去年までとは全然違う」。8月の打率は3割7分1厘、3本塁打、21打点とすさまじい。「目標があるからいい戦いができる」。頼れる主砲はそう締めくくった。
ヒーローは栗原だけではない。19日に1軍復帰したばかりの梵が復帰後初打点を挙げた。1-2の4回、2死二塁の場面で打席に入ると外角低めの141キロを技ありの一打。「なんとしても打ってやろうという気持ちだった。あの方向だけを狙いました」。打球は右翼線で弾み二塁走者が生還。同点に追いつく貴重な二塁打となった。
7月22日、梵は不振のため登録を抹消された。今季2度目の抹消だった。1カ月近い2軍暮らし。周りの選手のひたむきな姿が、良薬となった。「ファームの選手の上に上がりたいという気持ち。2軍の試合でもいいから出たいという姿勢。刺激がありました」。7月17日以来42日ぶり打点を挙げた背番号6は、静かな口調でそう言った。
中日が敗れたため再びゲーム差は1。「今できるすべてを出し切りたい」(栗原)。「2軍が長かったので、まだまだやらないと」(梵)。大事な大事な3連戦が始まる。【網
孝広】



