<横浜8-9ヤクルト>◇30日◇横浜

 ヤクルトのルーキー佐藤由規投手(18=仙台育英)が横浜戦(横浜)で1軍先発デビューも、村田に1発を浴びるなど6安打6失点(自責5)で2回途中でKOされた。味方打線の奮起で黒星はつかなかったが、プロの厳しさを味わうホロ苦デビューだった。

 結果を記すスコアボードの失点「6」へ、唇を真一文字に結んだまま視線を送り、ベンチで汗をぬぐった。現在イースタン・リーグ最多タイの8勝も、「甘いボールは簡単に持っていかれる。力不足だと思います」とレベルの差を痛感。打球は、いとも簡単に内野の頭を越えていき、2回持たず降板となった。

 初回、いきなり3点の援護をもらった。だが、その裏、先頭の石川に左翼線二塁打。首位打者を走る内川から空振り三振を奪うなど2死までこぎつけたが、4番村田にスライダーを左翼席上段へ運ばれた。2回にも4長短打で4失点。再び村田を打席へ迎えたところで交代を告げられた。わずか38球だった。

 自慢の直球は最速151キロ止まりで、武器のスライダーも通用しなかった。それでも高田監督は「これで負けにならないんだから、何か持っているんじゃない?

 育てていかないといけないし、次もチャンスは与えたいと思う」と期待を込めた。由規も「ひと言で言えば悔しいけど、真っ白にならなかった部分が(オープン戦のころと比べ)ちょっと成長した部分。失敗は成功の元なので次に生かしたい」と前を向いた。

 1軍合流前日の28日、「高校ビッグ3」と呼ばれた同期のロッテ唐川から激励の言葉も受けた。すでに1軍で5勝を挙げているライバルに続けず、ドラフト制後では球団初の初先発初勝利も逃した。しかし7回に降雨コールドでチームが勝利すると、初々しい笑顔でナインとハイタッチを交わした。気持ちを切り替え、この屈辱、経験は次回登板に生かすはずだ。【松本俊】