<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク7-6サーパス>◇8月31日◇淡路

 ソフトバンク2軍が南海時代の84年以来、24年ぶり6度目のウエスタン・リーグ優勝を決め、10月4日のファーム日本選手権(長崎)に初出場する。

 3本塁打で楽勝ムードの序盤から一時は同点。8回に小斉の適時打で1点を勝ち越し、最後は小椋が締めた。ナインはマウンド上で歓喜の輪をつくると、最初は嫌がっていた石渡2軍監督を胴上げに引っ張り出した。指揮官が3度宙に舞い、客席からは紙テープが飛んで、祝福ムードに包まれた。

 「開幕投手」を務めた和田や新垣のほか、パウエルら外国人投手も数多く2軍で調整登板した。石渡監督は「1軍投手が調整に来て、高橋徹(6勝)や大田原(3勝)岩崎(5勝)も成長するという相乗効果があった。やはり若手抜きには語れない。野手も1点、2点差のゲームをものにしてきた。今日は今季を象徴する戦い」と振り返った。層の厚さも生かして、45勝22敗10分けの勝率6割7分2厘と他球団を圧倒した。

 2軍から送り出した長谷川(負傷リハビリ中)や中西、金子らが1軍で経験を重ね、結果を出し始めている。優勝直後のミーティングで石渡監督は笑顔のナインにはっぱをかけた。「我々は1軍でやるのが目的。また1軍が喜べるよう、やろう!」。クライマックスシリーズをかけた9月戦線に“V戦士”を1軍に供給してこそ価値ある優勝となる。