<ヤクルト5-3中日>◇4日◇神宮

 3位中日はヤクルトに3連敗して4位浮上を許し、Aクラス確保のがけっぷちに立たされた。8回まで1安打無失点と打線が沈黙。5点を追う9回に森野、ウッズの本塁打攻勢で2点差に迫ったが、後続が抑えられた。ヤクルトに0・5ゲーム差となり、5位に後退した広島とも1ゲーム差のまま。借金2となり、5日の結果次第でBクラスに転落する。

 遅すぎる反撃だった。0-5とリードされた9回1死から森野のソロ、ウッズの2ランが飛び出し2点差とした8回までわずか1安打に抑えられていた打線が最終回に目を覚ました。それでも最後は林に締められてヤクルトに3連敗。スコア以上の完敗だった。

 負ければ広島に並ばれる可能性もある試合とは思えないほど淡泊な攻撃だった。8回までチャンスと言えたのは初回1死から荒木が相手失策で二塁に進んだ場面だけ。ここで李は直球に空振り三振、ウッズは2球目を打ち上げて二飛に倒れた。大砲がそろう打線はどうしても1発頼みになる。「そういうメンバーで戦っているから、こうなる可能性はある。今年は動けないメンバーで戦っているんだから」。落合監督は冷静に話したが、ヤクルト打線に4四球、11安打、2盗塁を許したのに対し、中日は2発での3得点のみ。攻撃の質が違った。

 ヤクルトに同一カード3連敗を喫したのは05年10月4日からの神宮での3連戦以来3年ぶり。ただ、この時は阪神との優勝争いに敗れて2位が確定した後の消化試合だった。今回はクライマックス出場権を争うライバルとしての対決。それだけに深刻さが増す。

 球場を去る間際、森野が厳しい表情で言った。「状態が悪いとか、打てないとか言っている場合じゃない」。1ゲーム差の広島も敗れたため単独3位のままだが、5位までは1ゲーム差。きょう横浜戦(ナゴヤドーム)に敗れれば4位転落の可能性もある。オレ竜ががけっぷちに立たされた。【鈴木忠平】