<オリックス11-10ロッテ>10日◇京セラドーム大阪

 2位どころじゃないぞ。快進撃のオリックスが首位西武と4ゲーム差に迫った。ロッテ戦は大乱打戦となり、2点を追う9回に犠飛で1点差に迫り、なお2死満塁からタフィー・ローズ外野手(40)の逆転サヨナラタイムリーで決着をつけた。この11試合でチームはなんと10勝。“負けないオリたち”が、最後の最後に猛スパートだ。

 初球と決めていた。1点差に詰め寄った9回裏2死満塁。ローズはやや外よりの直球に襲いかかる。フルスイングから生まれた右前打で一塁を回り込み、2人目の走者が滑り込むのを見守る。セーフのコールを確認して両手を上げると、ナインが向かってきた。ペットボトルの水を掛けられる。ユニホームは脱がされそうになる。手荒い祝福に逃げ回った。

 ユニホームの上着をズボンにしまいながら、お立ち台に向かう。一言目は決まっていた。「サイコーですっ」。初球攻撃には「ストライクならドンドン狙っていこうと思っていた」とうなずく。先発メンバーで最終回まで安打なしは1人だけだったが「ヒットは出ていなかったが三振もなかった」と焦りなどなかった。

 狙うは1つだ。「すごく大きな1勝。このまま勝ち続けて、優勝に向かって頑張っていきたい」と宣言した。40歳になっても不振を感じれば室内にこもって打ち込みをしてきた。清原に似たあごひげを蓄え「僕の先輩だし、キヨさんだからというのもあるけど、自分の中で何かを変えていこうと思ってやった」と笑う。日本一の経験のない最強の助っ人が、何度も頂点に上り詰めた清原の背中を追いかけていた。

 7連勝後の3連勝と、勢いは止まらない。取っては取られ、終盤に息の根を止められそうになっても、あきらめない。気が付けば首位西武に4ゲーム差に詰め寄った。大石監督も今季5回目のサヨナラ勝ちに「ビックリした。打つ方には最高の勝ち方」と目を丸くした。西武のしっぽが見えてきたことには「イヤイヤ。また明日です」と手綱を緩めない。もう珍事ではない。“強いオリたち”が頂点を目指す。【今井貴久】