<広島4-3横浜>◇10日◇広島

 キダゴーがやった。広島は横浜との接戦を制した。喜田剛が6回、三浦から右前へ決勝打を放ち、必勝リレーで逃げ切った。5連勝中の三浦に土をつけた。先発大竹は6回3失点で8勝目。最後は永川が、昨年自身が樹立した球団記録に並ぶ31セーブ目を挙げた。

 三浦の外角低めスライダーをたたいた。会心の当たりではない。打球は一、二塁間へ。1万5675人の観衆とともに喜田は願った。「捕るな。抜けろ!」。白球は右前へ転がった。二塁から嶋が生還し勝ち越し。いつ以来のお立ち台だろうか。「死んでも走者をかえすつもりでした」。スタジアムの喝采はいつまでもなりやまなかった。

 嫌なムードをひきずっていた。前日9日は大黒柱のルイスが先発しまさかの逆転負け。そしてこの日も大竹が初回に2失点。3回には村田にソロを浴びた。栗原の犠飛、石原の適時二塁打などで同点。そして6回、1死一、二塁の場面で喜田が打席に入った。

 喜田は三浦の前に2回は右邪飛。4回は無死二、三塁で捕邪飛に倒れた。情けなかった。「みんなこんなに必死でクライマックスに向けてやっているのに、俺、役に立ってるんかな」。自分への怒りにも似た感情が、難しいスライダーに食らいつかせた。そして生まれた千金打。「とにかく(凡退を)取り返したかった」。

 この日は「7番・三塁」で先発。本職は一塁手。昨年は外野を守った。本格的に三塁に取り組んだのは今春から。「三塁?

 無理かも」とこぼしたこともある。しかしこの日は三ゴロを無難にさばいた。「守備は下手なの分かっているから、集中してやりたい」。シーボルが登録抹消中で巡ってきたチャンス。この日で先発は12試合目、うち11試合が三塁だ。

 「阪神のころは、スタメンで出るなんで夢のまた夢…。7年に一度のチャンスです。ここでレギュラーをとらなかったら、終わりというぐらいの気持ちでやっている」。7年目の背番号44は、そういってまた笑顔をみせた。【網

 孝広】