<ソフトバンク1-4オリックス>24日◇福岡ヤフー
ソフトバンク王貞治監督(68)が、福岡ヤフードームで最後の胴上げをされた。今季限りで辞任する王監督は24日、本拠地ラストゲームの指揮を執った。3万5526人の地元ファンに最後のホームユニホーム姿を披露。試合後の最終戦セレモニーでは辞任を報告し、新生ソフトバンクへの支援を求めた。試合は2位オリックスに1-4で敗れ6連敗。クライマックスシリーズ(CS)進出が完全消滅した。
場内1周を終えた選手がマウンド付近で待ち構える。もはや順位も勝敗も関係ない。これが福岡で最後のユニホーム姿だ。「不本意だけど、選手たちがけじめをつけてくれたんじゃないかな」。ナインの意向を拒まなかった。最後に胴上げされた03年の日本シリーズより、約15キロは軽くなったその身体で、うれしそうに4度、宙を舞った。
最終戦セレモニーでは、花束を渡す小久保はうつむき、川崎は笑顔を見せ、松中は涙を流した。
王監督
彼らとは共有した部分が多いからね。自分は「忠臣蔵」を何度も見ても、同じ場面で涙するんだけど、損な性分でね。人のことは感激できるんだけど。彼らには自分の道を進んでもらわないといけない。少しでもこんな男がいた、と覚えてくれればいい。
マイクの前には毅然(きぜん)とした表情で立った。1年間の応援を感謝するとともに、チーム不振の責任を一身に背負い、3万5526人のファンに、肉声で辞任を報告した。
王監督
今年こそはと思った本年も、8、9月に、ソフトバンクホークスらしい戦いができませんでした。これはすべて監督の責任です。95年から14年間878試合、ユニホームを着て、本当に幸せでした。
王監督の本拠地最終戦とあって、球団は2軍の選手、スタッフも球場に呼んでいた。「選手たちとはこういう関係にありながら触れられない部分もある。1人1人握手できて良かった」。王監督は整列した1、2軍の選手、コーチ陣全員と握手を交わし、スタッフ全員とも同じ儀式を繰り返し、1人1人にねぎらいの言葉をかけた。
この本拠地で初めて公式戦の采配を振るったのは、ダイエー時代の95年4月8日だった。1-0の完封勝利。「王人気」で開門前から3000人のファンが列をつくったほど。幾多の喜怒哀楽をここで刻んだ。99年9月25日、初優勝を果たしたのもこの球場だった。「最初に踏み入れたときはでっかいところだな、と感じた。14年も生活するなんて思わなかった」。関係者入り口でしみじみと14年間を振り返った。
残り8試合。この日の敗戦でCS進出は完全消滅した。それでも表情は晴れやかだ。「思い残すことはない。幸せな14年間でした」。88年に巨人監督を辞任してから20年。悔いを残さず、第2の野球人生の幕を閉じる。【中村泰三】



