<西武2-7オリックス>◇28日◇西武ドーム
同点の5回表1死一、三塁の場面で、大石監督が鬼になった。坂口にセーフティースクイズを命じ、勝ち越しに成功。一、二塁として下山の4球目には重盗。カブレラの中前適時打で2点を追加しても、タクトを緩めない。6回にも再び坂口にセーフティースクイズを敢行させ、連敗を止めた。意地ともいえる機動力攻撃でCS進出マジックを1とした。
3位圏内に王手をかけても、信念は変わらない。「そうですか。言うことは同じです」と一戦必勝の構えを崩そうとはしなかった。Bクラス低迷が始まった00年開幕から9シーズン目。長いトンネルを抜け出すのは目前だが、勝因に「今日は本当に全員ですね。(足攻も)これまでの試合通りで考えてました」と、奇襲とはとらえていなかった。
前カードの楽天戦(Kスタ宮城)で連敗し、ひとつのジャッジを下した。CSマジック点灯後、3回火消しに失敗した加藤に、試合前「こういう状況ですから(本人は)納得しないでしょうが、個人の納得よりチームの納得」と、残り3戦、抑え役に固定にしない考えを伝えた。リーグトップの33セーブを挙げている守護神の役割を変更するほど、勝ちに飢えていた。チームのため冷徹になった。
2月のキャンプから比べ、体重は7キロ落ちた。眠れない日も少なくない。大石監督の苦悩が、29日に勝って報われる。よく言われることだが、明けない夜はない。【今井貴久】




