日本ハムが今季フリーエージェント(FA)権を取得した稲葉篤紀外野手(36)を大型契約で引き留めることが23日、分かった。2年の複数年契約で総額6億円程度、3年目は球団が選択権を持つプラス1年のオプション付きの条件を提示する見込みだ。「この球団が好きなので残る方向で考えていく」と権利を行使せずに残留、長期契約を希望している稲葉の意向に最大限に沿う形。11月から本格スタートする交渉も順調に進むとみられ、来季以降も残留する可能性が一気に高まった。

 稲葉はヤクルトからFA移籍して今季で4年目。昨季は首位打者のタイトルを獲得するなど、3年連続打率3割をマークした。今季の推定年俸2億4000万円はチームトップになる。すでに1度、事前交渉をして球団は2年契約を提示し、稲葉が残り460安打へと迫った2000本安打達成に強い意欲があることから、契約年数を見直した。球団幹部は「北海道に来てチームが変わった中で、今後も欠かせない人材」と話し、引退後には幹部候補生の1人として見ている。