真弓監督は我慢できない!?

 スーツ姿で秋季練習を見守って3日目の10月31日。阪神真弓明信新監督(55)は秋季キャンプ(3日から高知・安芸)に向けて体がうずいた。ネット裏ブースから視察中、突然立ち上がるとノックバットを手に打撃フォームを繰り返した。就任後初の熱烈指導をした相手は、南信男球団社長だった。

 南社長が「打撃に熱心だったね。守備重視と言っているが、打撃が気になるのだろう。さすがの理論で納得した」と明かした。フリー打撃を見た南社長が「この選手はなぜ打てないのか」ともらすと、新監督の打撃教室が始まったという。

 体がうずいてしまった真弓監督は「今気づいたことは打撃コーチや投手コーチに話している。コーチと考え方が一致してから選手に話せばいい」とキャンプでの直接指導を待ち切れない様子だ。

 この日は秋季キャンプのメンバー27人を確定させて、発表した。40人程度になる年もあるだけに、少数精鋭の感がある。「みっちり練習させるためにかなり絞った。1軍か1軍に近いところを選んだ」。投手で久保田、岩田、江草、野手でも鳥谷、平野という主力級を選ぶ一方、野原や鶴といった次代をになう若手はあえて外した。「残留組も練習はするから。連れて行くメンバーはフル参加」。真弓監督は全開間近だ。【町田達彦】