真弓監督が阪神版「M-1グランプリ」を創設する。阪神真弓明信監督(55)が10日、若手の発奮を促す「年間グランプリ」を設定する考えを明らかにした。監督のイニシャルに引っかけて「M-1グランプリ」とネーミングするほど大乗り気。チームの躍進に若手の成長が欠かせない事情があり、ニンジン作戦に前向きだ。本家の漫才コンテストに負けないほど盛り上がれば、真弓阪神は笑いが絶えない。

 チュートリアル、サンドイッチマンに続くのは誰だ!

 真弓監督が待ち望むのはもちろん漫才コンビではなく、チームに新風を吹き込む若手プレーヤー。1人でも多くの新星が誕生するよう、究極の監督賞として「M-1グランプリ」の開催を提唱した。

 真弓監督

 “監督賞”はもちろん、出したいですね。こちらの予想外に働いてくれる選手には、何か出さないといけないでしょう。マユミのM-1グランプリ?

 いいんじゃない、それくらいどんどん(選手が)出てきてくれればね。

 この日はレギュラーを務めていたABCラジオの番組に出演した。スタジオに入るまで、同局が放送する「M-1グランプリ決勝」の宣伝ポスターを数多く目にした。阪神でも生きのいい若手が数多く出てくれれば…。本家が結成10年目までのコンビに限定しているのをなぞるまでもなく、真弓賞の資格対象者は若手選手になるようだ。

 真弓監督

 若い選手が、投手でも野手でも出てきてもらわないとね。期待しているのはオレだけじゃない。(坂井)オーナーや(南)社長にも相談して考えてやらないとね。

 総帥の坂井オーナーとは年末年始の間にチーム状況を話し合う「忘(新)年会」が催される予定だ。その席で本社と球団のトップに「M-1」協力を要請するほど、ノリノリになっている。この日、指揮官のプランを伝え聞いた沼沢正二球団本部長は「大変、いいアイデア。球団も協力して若手の成長を前向きに促したい」と賛同した。

 発案段階だが、グランプリと銘打つからには受賞者は1人。そのシーズンで最も活躍した若手がたたえられる形式がスマートだ。シーズンオフにファン感謝デーなどのイベントでは、チーム内のMVPや殊勲賞などが選ばれて表彰されるのが通例。その場で真弓監督が「M-1」王者を決めるスタイルなら、若手の誰もが目の色を変えるはずだ。

 エントリー者には事欠かない。投手では真弓監督が秋季キャンプから注目する白仁田や黒田がローテーション入りを狙う。野手では新外国人メンチとも競わせる方針の林と桜井の大砲コンビに一発かましてもらいたい。野口のFA流出で出番が増えそうな捕手陣には、狩野を筆頭に若手グループが虎視眈々(こしたんたん)。真弓監督が呼びかけるグランプリの争いは、すでに始まっている。【町田達彦】