前哨戦から全部勝つ!

 阪神真弓明信監督(55)が来春のオープン戦で勝利にこだわる姿勢を打ち出した。若手主体の序盤、ライバル巨人戦が控える中盤、ベストメンバーを組む終盤とすべての時期でチームが勝利を目指すことが必要と強調した。故郷福岡への凱旋(がいせん)となる3月24日からのソフトバンク3連戦は開幕態勢を取り、より白星にこだわる考えだ。14日は兵庫・佐用町で、チャリティーゴルフ(佐用スターリゾート)に参加した。

 勝利しか要らない。多忙なオフを過ごす真弓監督が、早くも勝負師の横顔をのぞかせた。11日に発表された来季オープン戦の日程をにらみ、18戦すべてに勝利を求めると力説。白星に次ぐ白星で勢いを付け“優勝”で開幕を迎えるプランを描いた。

 真弓監督

 勝ちにこだわらないといけない。その中で選手がどういうことをやっていくか理解できる。勝負を度外視すると、それが分からなくなるから。

 これまでに選手、コーチとしてオープン戦を体験してきたが、監督となれば基準は1つに絞った。勝利を呼ぶ選手の勝利に結びつくプレーしか評価しない。勝利至上主義は、時期によらない。キャンプ終盤から開幕直前まで、すべての試合が必勝態勢だ。

 真弓監督

 序盤は若い選手が主体になる。チャンスでもあるし、勝敗を意識しながらプレーしてもらいたい。中盤には巨人戦がある。もちろん、苦手意識があるかどうか分からないけど、勝ちぐせをつけていかないと。

 オープン戦の序盤は、1軍ベンチ入りを争う若手のバトル。勝利への貢献度が次なるチャンスを生むとはっぱをかける。

 また3月15日にスカイマークで行う巨人戦を重要視。今季はシーズン終盤に直接対決で7連敗し、リーグ優勝までさらわれた因縁のライバル。1日でも早く巨人アレルギーを一掃することに神経を注ぐ。

 真弓監督

 福岡のあたりから、開幕のメンバーになるでしょう。ドームで中止にならないし、予定通りに試合を消化できる。

 全勝オープン戦の総仕上げは、3月24日からのソフトバンク3連戦(ヤフードーム)に28、29日のオリックス戦(京セラドーム大阪)だ。福岡は故郷への凱旋(がいせん)となるが、感傷的な気分は一切なし。手術明けとなる金本、矢野、下柳の40歳トリオなど主力級も「少しでも体を慣らした方がいい」と実戦に組み入れる。ベンチには代打、代走、守備固めのスペシャリストをそろえた布陣で、勝利の予行演習を徹底する。調整出場や手抜きはノーサンキュー。公式戦開幕を前に全戦必勝のロケットスタートを切る。【町田達彦】