中日落合博満監督(55)が二遊間コンバートへ挑戦する「アラ・イバ」にキャンプ初日からオレ流ノックを浴びせた。午後3時過ぎ、北谷球場サブグラウンドに現れた指揮官は遊撃に入った荒木に約1時間、ノックバットを振った。二塁に入った井端にはノックこそ打たなかったものの30分間も個別指導。昨年はバットを封印した指揮官が最初にノックを解禁した相手はやはりこの2人だった。

 「今年はバットを振らざるを得ないでしょう。ターゲットは決まっている。荒木、井端、森野。この3人にはもうひと回り大きな選手になってもらわないといけないから」。6度目の春季キャンプを迎えたこの日、練習開始前に行われた会見では荒木、井端、森野を「強化選手」に指名した。5年連続でゴールデングラブ賞を受賞した名手・荒木と井端の守備位置を入れ替える。V奪回を目指す今季を左右するコンバートだけに落合監督も初日からバットを振った。

 プロ入り直後は遊撃手だった荒木は「景色が違うので難しい。素人です。ゼロからのスタート」と遊撃の定位置が見つけられず戸惑っていた。また、大学以来の二塁となった井端も「(二塁の動きを)頭の中では覚えているけど体が覚えていない。基本を反復するしかない」と併殺の動きに何度も首をかしげるなどブランクを感じさせた。

 守り勝つ野球への原点回帰を掲げる落合監督がまず手をつけた「アラ・イバ・コンバート」。今後も連日、サブグラウンドでノックバットを振る指揮官と、その打球を追う2人の姿が見られそうだ。【鈴木忠平】

 [2009年2月2日11時4分

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