中日立浪和義内野手(39)が12日、ラストイヤー打法を披露した。兼任している打撃コーチとしてでなく、選手として北谷球場の屋内練習場に早出。右足の踏み出しをオーソドックスものから「2段ステップ」に変更して40分間打ち込んだ。全体練習でのフリー打撃でも快打を連発し、新フォームに手ごたえをつかんだ。現役最後のシーズンも理想の打撃を追求し続ける。

 培ったものを守るより、新たな挑戦を選ぶ。立浪の早出特打には、明確な意志が込められていた。これまでは右足を上げてタイミングを取り、そのまま踏み込んでいた。この日は右足を左足側に小さく引きながらチョンと地面に触れ、そこからあらためて踏み込んだ。いわば2段ステップ。大きな打撃改造だ。途中で報道陣のテレビカメラやモニター画像で新しい打撃フォームをチェック。いける、と確信した。

 「去年の足の上げ方より今日のほうがいいと思った。前に突っ込まないし、ボールを呼び込んで自分のポイントに引きつけられる。その形にしなければミスが多くなるんで。昨日和田のベンちゃんに見てもらって今日の(フォームの)ほうがいいと言われた。1年間迷わないように。最後なんでね」

 昨年の二の舞いは踏まない。キャンプはハイペースで仕上げ、オープン戦でも好調を維持したが、開幕してパタリと当たりが止まった。代打選任のひと振り稼業。19打席安打が出ず、悩み、苦しんだ。初安打は5月8日の広島戦。結局シーズン86打席で自己ワーストの打率2割5厘に終わった。

 胸に期すのはスタートダッシュだ。「去年はちょっと苦しんだんでね。今年はいいスタートを切れるように。はじめに打って相手に先入観を持たせないと。ナメられないようにね」。打撃フォームを変えるだけでなく、調整法も見直す。今キャンプは実戦出場を急がず、開幕を見据えじっくり打ち込みながら仕上げていく。

 メーン球場に場所を移した午後のフリー打撃でも、新しい打撃フォームを確認しながら次々と快音を響かせた。常に上を目指してきたプロ22年目。立浪は最後まで生き方を変えない。【村野

 森】

 [2009年2月13日11時9分

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