ソフトバンクのドラフト1位、巽真悟投手(22=近大)が17日、紅白戦初登板で大炎上した。先発で3回を投げて9安打を浴び、毎回の7失点。初回いきなりの二塁打で動揺して本来の投球を見失い、手痛い“洗礼”を受けた。

 記念すべき実戦デビュー第1球が落とし穴だった。まっさらなマウンドから先頭の城所へ投じた135キロの直球を右中間にはじき返され、二塁打を許した。「落ち着いていこうと思ったけど、最初の一打で流れが変わった」。ほおが引きつり、体はこわばる。柴原と小斉に適時打を浴びて初回に2失点。心の乱れから「しっかり腕が振れなかった」と本来の球威を失い、全65球で空振りを奪ったのは3球だけ。屈辱の9安打7失点に「完全に実力不足。反省点が多すぎるぐらい見つかった」と唇をかんだ。

 秋山監督は「自分の投球ができないまま終わったね。本人も不完全燃焼だっただろう。次に期待だね」と即断を避け、再びチャンスを与える方針を示した。高山投手コーチは「緊張や疲れもあったのでは」と考慮した上で、休日明けの19日までに今回の反省点などをまとめたリポートを提出するよう本人に伝えた。

 巽は次回、22日の紅白戦に登板する見込み。再び失態を見せるわけにはいかない。アイシングを受ける際には「ドラ1」の先輩大場から「オレなんか、もっと大事な最後のオープン戦(08年3月15日の横浜戦)で、5回で8点取られた。次で頑張ればいいよ」と励まされた。ほろ苦い経験も、ルーキーの誰もが味わう試練。「次までにしっかり改善したい」。今度こそ、真価を発揮してみせる。【太田尚樹】

 [2009年2月18日10時42分

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