傷だらけの落合竜が総動員態勢で開幕に挑む。中日は3日、横浜戦(ナゴヤドーム)で09年シーズンの幕を開ける。左翼のレギュラー和田一浩外野手(36)は2日、疲労のため全体練習を回避。出場は当日の様子を見て決めることになった。井端が調整不足、荒木は左脚故障を抱え、腰に不安のある谷繁に無理をさせられない中、新たな不安が発覚。それでも落合博満監督(55)は「明日(3日)の練習が終わらないとスタメンは決められない」と、戦力をフル回転させて開幕ダッシュを図る。

 ポイントゲッターの1人である和田が、開幕前日の最終調整の場となる全体練習を回避した。ナゴヤドームの室内で別メニュー調整。「ゆっくりやらせてもらっていいですかと監督に聞いたら、いいよと言われた。ちょっと疲れがきていた。(持病の)腰痛?

 大丈夫ですよ」。軽症を強調したが、開幕スタメン出場は当日の様子を見て決められることになった。

 オレ竜は傷だらけと言っていい。井端は右目の異常でキャンプを3週間離脱し、調整不足は否めない。左肩痛のためスロー調整していた荒木は、ここにきてさらに左脚を痛めた。二遊間コンバートが今季の売りになるはずが、慣れ親しんだ二塁荒木、遊撃井端の布陣に戻さざるを得なくなった。正捕手谷繁は腰痛を克服したとはいえ無理はさせられない。さらに主力が不安を露呈したとなると、まさに緊急事態だ。

 落合監督は「みんな、遅れているでしょ、ある意味。順調に来ているもんは1人もいないでしょ」と話した。開幕スタメンについては「明日(3日)になって練習を見てからじゃないと決められません。当日の体調を見てからじゃないと決められない。選手は1日1日状態が変わるんです。4月4日にメンバーが替わっているかもしれない」と説明した。厳しい現実を踏まえ、総動員態勢を取る決意をあらためて示した。

 それでも、指揮官にとっては想定内の開幕だ。キャンプでは荒木、井端に連日ノックを浴びせる一方、影武者として谷、岩崎達らを鍛え上げてきた。正捕手谷繁に無理をさせないため小田、小山桂司捕手(28=前日本ハム)の捕手3人制を選択。藤井にオープン戦で外野の全ポジションを守らせるなど、選手起用の選択肢を増やしてきた。就任6年目で「1番面白いシーズン」と位置づける09年。采配が命運を握ることは分かっている。

 この日のシートノックでは和田が入るべき左翼に、小池が入った。落合監督の放つ打球をさばき「ボクは与えられたところで頑張るだけ。そういう役割だと思ってるんで」と話した。笘篠外野守備走塁コーチも「左翼に限らず、誰かがケガしたら誰かがカバーするというのが今年です。みんなやってくれるでしょう」と前を向いた。V奪回、そして日本一というゴールに向け、落合竜は開幕から1つになる。【村野

 森】

 [2009年4月3日11時43分

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