<阪神3-2横浜>◇30日◇甲子園
1人でもアウトになれば、その時点で試合終了だった。奇跡の扉をこじ開けたのは今岡誠内野手(34)だった。9回2死走者なしから代打で登場。石井から三遊間へ深い打球を放つと一塁へ激走した。「何とか塁に出て次につなげようと思ってた」。執念の内野安打。泥臭くても最後まで諦めない熱さは、続く平野にしっかり伝わっていた。
「つなぐんだという気持ちが乗り移ってくれた」。真っすぐを仕留めた打球は右中間を破った。1点を返しただけでなく、一気に三塁まで奪った。勇気ある激走は横浜にさらなるプレッシャーを与えた。続く関本の中前へ抜けそうな打球は二塁梶谷に好捕されたが、走者三塁で慌てたのか一塁へ悪送球して同点。「必死に走った」という関本も二塁に進んだ。
新3番鳥谷もつなぎの気持ちを忘れていなかった。自分で決める気持ちを抑え、この日3本目の安打は軽打で右前へ。「追い込まれてたし後ろへ、と思った」。4番に最高の舞台を用意した。
今岡は「今日みたいに勝ちにつながる仕事ができれば」と胸を張った。腰痛の赤星に代わって1番に入った平野も「一生懸命やっていれば、いいこともある」と感慨深げに話した。今岡から平野、関本、鳥谷、そして金本につないだ1本のバトンは5連打となって花開いた。誰も落とさなかったバトン。その理由は勝利への執念だった。【松井清員】
[2009年5月1日11時2分
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