<横浜2-4中日>◇4日◇横浜

 中日が守護神岩瀬仁紀投手(34)を温存し、一打逆転の場面にまで追い込まれて、辛くも逃げ切った。3点勝ち越した延長11回裏。セーブのつく場面で送り出されたのは岩瀬ではなく同じ左腕の高橋だった。その高橋がジョンソンに2号ソロを浴び2点差。さらに2死満塁にされ、代わった4番手平井が内川に右前へライナー性の打球を打たれた。右翼手野本のダイビングキャッチでかろうじて勝ちを得た。

 異変発生だ。岩瀬投入のチャンスは前日もあった。2点リードの9回裏。守護神で逃げ切ってもおかしくなかったが、起用は見送られた。出場選手登録を抹消されていないことから深刻な故障でないとみられるが、状態が100%でないのは間違いない。ブルペンから重い足取りで引き揚げてきた岩瀬は「いろいろな思いはあるけど消化していくしかない」と唇をかんだ。落合監督は「先は長い。(投入するなら)12回しか考えてなかった」と話した。

 岩瀬はここまで例年以上に厳しい場面を経てきた。出場10試合にとどまるが、4月18日から5日連続登板を含む7連投。25日巨人戦(東京ドーム)では自身2度目のサヨナラ被弾で勝ちを消した。復活を期した30日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)では、わずか1球でプロ初の危険球退場。らしくない場面が続いていた。

 守護神がしばらく使えないとなれば、ただでさえ苦しい戦いがさらに過酷になる。岩瀬抜きで横浜に連勝した落合竜だが、険しい道が続く。【村野森】

 [2009年5月5日9時30分

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