<阪神2-3ロッテ>◇26日◇甲子園

 阪神の守護神・藤川球児投手(28)がロッテ戦(甲子園)の9回、サブローに勝ち越し適時三塁打を浴び今季3敗目を喫した。9回1死二塁から、サブローのファウルフライを狩野捕手が落球する不運もあって決勝打を許したが、昨年甲子園で8勝、防御率0・76を誇った球児は今季、本拠地5戦で4失点し3敗、防御率は5・40。勝利の方程式が崩れ、まさに“魔の甲子園”が続いている。

 甲子園の“女神”は藤川に冷たかった。2-2の9回1死二塁のピンチ。打ち取ったつもりのサブローの邪飛を狩野が落球し仕切り直し。2球目を右翼後方に打ち返され、二塁から西岡に決勝のホームインを許した。藤川は痛恨の失点で早くも今季3敗目だ。

 藤川

 流れを止めるのが仕事。それがまっとうできていないので、申し訳ないです。

 連勝がストップした責任を一身に背負った。先頭西岡に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びても動じず、バント狙いの福浦を三振に仕留めた。うるさいサブローから2アウト目を奪ったかに思えた矢先の落球だった。ショックをかき消すように投じた1球が、決勝打になった。

 今季の3敗、失った4点はすべて甲子園だ。本拠地登板で無失点は前日25日のわずか1度。守護神の登場が勝利の六甲おろしに直結しない現実は、借金返済を目指すチームには痛い。

 苦しんでいるのは球児だけではない。中継ぎのウィリアムスも痛い失点を喫した。1点リードの8回、2死一塁からベニーを四球で歩かせてピンチを広げ、今江に同点中前適時打を許した。

 こちらは今季7失点目で防御率3・86。03年には52試合、07年には60試合に登板し年間9失点だった左腕は、首をかしげるしかない不安定さだ。藤川は「頑張るしかないです」と言葉を絞り出した。「勝利の方程式崩壊」で連勝は2でストップ。1敗という数字以上に、暗雲感を強める現象だった。

 

 【町田達彦】

 [2009年5月27日8時44分

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