「神様」でダル攻略だ!

 阪神は30日、パ・リーグ首位を走る日本ハムと敵地札幌で対戦する。相手の先発は過去4戦3敗と難攻不落のダルビッシュが予想され、苦戦は必至。真弓明信監督(55)は代打の切り札、桧山進次郎外野手(39)をキーマンに指名。これまで否定的だったスタメン起用さえ視野に入れ、総力を結集しての勝利を誓った。借金6と低迷する現状を打破するため、積極的な攻撃を仕掛けていく。

 球界を代表する右腕を攻略するために“代打の神様”が立ち上がる。30日の対戦が予想される日本ハムのダルビッシュは現在6連勝中と絶好調。そのエースに、阪神は過去4戦3敗、チーム打率は1割5分1厘と完ぺきに抑えられている。しかも打線が低調の中で、真弓監督はキーマンに桧山を指名した。

 39歳のベテランは2年前に4打数2安打の結果を残すなど、通算11打数3安打とダルビッシュを苦にしていない。この日札幌入りした真弓監督は、これまでは桧山の先発起用に否定的だった。しかし「考えてみます」とニュアンスを変えた。和田打撃コーチも「今すぐかは分からないが、4打席立たせたい選手。可能性はゼロじゃない」と補足した。指名打者を使える日本ハム戦だけに、08年8月7日広島戦以来の先発出場はありえる。

 桧山の調子は上がってきている。27日の西武戦で同点の今季初の適時打を放ち、お立ち台に上がった。ダルビッシュとの相性に関しては「あまり覚えていないなあ」と話すにとどめたが、直球に力負けしないスイングができてきた。

 真弓監督はパの首位を走る日本ハムとの試合を終盤勝負ではなく、序盤にポイントを置いていることも明かした。「(ダルビッシュは)立ち上がりに不安がある。初回から集中力を持っていきたい」。勢いづかせると、手をつけられない投球をするだけに、本調子の前に出ばなをくじくのがベスト。桧山をポイントゲッターとして先発起用すれば、初回に大量点を奪うことさえ不可能ではない。

 指揮官も個人的に負けられない。敵将・梨田監督は同い年で親交も深く、近鉄では監督とヘッドコーチの間柄だった。初対決となった2月11日の練習試合では2-5で敗れた。そのときも先発はダルビッシュ。「意識はする。(相手は)しっかりとつないで点を取ってくる打線。(阪神も)1人でじゃなく、全員で攻略していかないと点は取れない」。現在借金6と乗れない状況で、置かれた立場は違う。「勝てば、勢いがつくだろう」。右腕攻略で、借金返済に弾みをつけたいところだ。【田口真一郎】

 [2009年5月30日11時46分

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