<日本ハム4-4阪神>◇31日◇札幌ドーム

 白星と同じくらいの価値ある死闘で、進撃の5月をフィニッシュした。日本ハムが阪神に何度も寄り切られそうになりながら、5時間6分、徳俵を割らなかった。両リーグ今季最長の終わりが見えないシーソーゲームで、今季初の引き分け。先制され、ひっくり返し、同点とされたが総力戦で踏ん張り切った。安打数は9対17。梨田監督が「瞬間、逆転はしたけれど、あとは劣勢だったから」と言う、納得の結果だった。

 中盤以降、最大の長所を生かした「横綱相撲」で、しのぎ切った。同点の6回2死一塁、先発武田勝にあっさり見切りをつけた。8番打者の狩野とはいえ、右腕の菊地を投入した。狩野に右前打は浴びたが、続く平野を一ゴロに仕留めた。5回に追いついた直後の場面。長打さえなければ失点の可能性は低いが、万全を期した。「菊地の方が抑える可能性が高かった」。先発左腕エースのプライドを傷つけかねなくても、梨田監督は局面を動かした。

 迷わず打った一手から、強力中継ぎ陣で阪神打線を分断した。1点リードの8回、林が金本に同点ソロを浴びたのは誤算も、6回以降は阪神スコアボードに「0」を並べ切った。守護神武田久ら計8投手のリレー。延長11回2死二塁には左翼・森本が、代打葛城の左前打を冷静に処理。本塁へのワンバウンド送球で刺し、勝ち越し点を与えなかった。奮闘を支えるバックも一体になり、ホームベースへの侵入を封鎖した。

 今カードは1勝1分けで終えた。安打数は完敗も、失策数はこの2戦で1対6と圧勝。負けない2日間の要因となった。梨田監督は「打つ方はいい時も悪い時もあるから。守り勝つ野球はできている」と手応えを口にした。

 5月を16勝8敗1分けで、貯金を「10」まで積み上げた。2位ソフトバンクに3ゲーム差と独走ムードも漂ってきた。長い5時間6分の一瞬、一瞬に、プラス要素が詰まっていた。【高山通史】

 [2009年6月1日9時39分

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