<西武5-0楽天>◇15日◇西武ドーム

 西武涌井秀章投手(23)が中盤からの奪三振ショーを披露した。今季2度目の完封でハーラーダービートップタイの11勝目をマーク。自己最多タイとなる12奪三振と楽天打線を寄せつけない。今季の三振数は119で、日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)を3個上回り、単独トップに立った。そのダルビッシュもソフトバンク戦で11勝目を挙げ、ライバル同士の対決がヒートアップしてきた。

 蒸し暑い西武ドームでも、涌井の頭の中は冷静だった。1発出れば同点となる8回2死一、二塁、打席に4番山崎武を迎え、二塁へけん制球を悪送球した。走者は進塁し、一塁は空いている。無理して勝負しなくてもいい場面になったが、判断は違った。「完封狙い?

 それもあったけど、(5番の)草野さんの方が打率が高い。最初から勝負するつもりでした」。勝負師の結論は、真っ向勝負だった。

 迷いはない。カウント0-3になったが、外角へのカットボールがストライクになると、同じボールを低めに投げた。間違っても本塁打になりやすい内角へは、抜けない勝負球を選び、打球はショートへ、力なく転がった。「8回が終わって(9回も)いけると思ったけど、後悔しています」と話すように、決して余力があったわけではないが、9回にも2三振を奪い、自己最多タイとなる12奪三振。完封勝利で飾ってみせた。

 激烈を極める日本ハム・ダルビッシュとの“2冠争い”は、同じ日に互いが勝って11勝と並んだままだが、奪三振は3個リード。「(ダルビッシュは)中6日だし、楽々勝つと思っていました。(勝ち星は)離されたくない。三振?

 それは取らなくてもいいと思っています。3回までのピッチングが理想です。休み休み、打たせて取った方が疲れませんから」と振り返るように、序盤は三振0。「1点勝負になると思った。エンジンはかけているつもりはなかったけど、結果的にそうなりましたね」と“省エネ投球”を切り替えた4回以降で12三振を奪って見せた。

 奮い立たせているのは、ダルビッシュの存在だけではない。同じ横浜高でバッテリーを組んでいた村田浩明さん(22)が、4月から神奈川・霧が丘の部長に就任し、夏の県大会で1勝を挙げた。「励みになります」と殊勝なコメント。お立ち台では「これからの涌井選手はバテてくると思うんで、今のうちに頑張ります。これからも人任せでいきたいと思います」と“怠け者節”をさく裂させたが、同級生たちの活躍に負けない結果を、マウンドで出した。【小島信行】

 [2009年7月16日9時0分

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