<巨人11-1中日>◇29日◇東京ドーム

 巨人がド派手な1発攻勢で落合竜の連勝を9で止めた。首位攻防第2ラウンド。1回に古城茂幸内野手(33)の2号3ランなどで6点の先制パンチを朝倉に見舞った。5回には4番アレックス・ラミレス外野手(34)の14号2ラン、5番亀井義行外野手(27)の12号ソロで3点を追加し、7回には3番小笠原道大内野手(35)も24号2ランでトドメを刺した。前日28日に食らったクリーンアップそろい踏みを、一夜にして倍返しした。ゲーム差を2・5に広げた。

 ラミレスはすぐには走らなかった。公称180センチ、86キロの巨体で、のしのしと歩いた。視線の先は右中間。大きな弧を描いた打球がスタンドインするのを見ながら、ようやく走りだした。それくらい完ぺきなアーチに「今季一番の当たりだったよ」と誇らしげだった。5回、中日高橋の初球アウトローを14号2ラン。初回に挙げた6点に上乗せ、点差を一気に7点へ広げた。

 前夜は敵のクリーンアップにやられた。首位攻防第1ラウンドで森野、ブランコ、和田に1発をそろい踏みされた。対する巨人のクリーンアップは2安打で打点0。ここまでリーグトップの99本塁打を誇る打線の中核が、お株を奪われた。

 連敗はできない。全員が理解していた。そんな中、ラミレスは頭も体もクールに準備を進めた。「終わったことは振り返れない。昨日負けたことを忘れ、今日、戦えばいい」。試合前、ブルペンでワンバウンドのボールを打つティー打撃を繰り返しフォームを確認。下半身のストレッチも入念に行った。抜かりない準備が、最高の結果を生んだ。1回、朝倉から5連打で6点を挙げたが、先制打もラミレスだった。

 やられた借りは返す。それが首位を走るチームのプライドだ。ラミレスの1発に続き、亀井も右中間に12号ソロを決めた。「選手みんな中日に勝たないと優勝はないと思っている」と言い切った。前夜は2度の好機で凡退。「何で打てないか分かった。練習でズボンを下げたからいけなかったんだ」と、この日の練習ではストッキングをひざ下まで上げるクラシックスタイルで臨んだ。ちょっとしたしぐさにもゲンを担ぎ、早出で打ち込んだ。

 誰より雪辱を期した男が猛打ショーを締めた。7回、小笠原が高橋から24号2ラン。前夜、チェンに3三振を喫した。「切り替える」と短い言葉に決意を込め、たまった悔しさをぶつけた。お返しのクリーンアップそろい踏みを完成させたが「(1回の先制機に打てず)みんながカバーしてくれた」と仲間に感謝した。

 負ければ0・5ゲーム差に迫られるところだった。ラミレスは「当然、ジャイアンツのクリーンアップはそろい踏みをしてもおかしくない高いレベルにある」と胸を張った。原監督は「クリーンアップが打ったことが大きい。うちの戦い方ができたということ」と手放しで褒めた。1勝1敗で迎える第3ラウンドも、強力トリオが奪ってみせる。【古川真弥】

 [2009年7月30日8時12分

 紙面から]ソーシャルブックマーク