<日本ハム5-1ソフトバンク>◇7月31日◇札幌ドーム

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が7月24日のオールスター第1戦での打球右肩直撃から完全復活し、ハーラー単独トップの13勝目を挙げた。ソフトバンク戦で先発し8回を5安打1失点9奪三振。「若き鉄人」は全く影響を感じさせなかった。2位ソフトバンクをたたき、チームは9連勝で貯金は今季最多「20」に到達した。クライマックスシリーズ(CS)進出へのマジック47も点灯した。

 ダルビッシュはいつも通り、完全に試合の支配者になって勝ち名乗りを受けた。チーム9連勝、貯金20の大台がかかった首位攻防3連戦初戦の大一番。負傷の状態が心配されたが、簡単に今季13個目の白星を積み上げた。「いつも流れとか、別に意識していないんで」とサラリだった。

 いきなり相手の戦意を喪失させた。1回、2者連続三振スタート。2死から四球絡みで満塁としたが、田上はスライダーで空振り三振。2回は3者連続、3回先頭の本多まで7個のアウトをすべて三振で奪った。「調子が良かったんで飛ばしただけ」。自分主導で試合を展開させた。

 序盤3回までソフトバンク打線はファーストライクに手を出さずに待球作戦。4回から積極的に打って出てきた。序盤は最速150キロの速球にカットボールと直球系主体だったが、4回からは初球にカーブなど緩急を使い、タイミングを外す。三振ではなく、凡打でアウトを重ねるスタイルへと切り替えた。

 「途中から打撃を切り替えてくれたんで、それで(力を)抜いて楽になった」。8回2死満塁のピンチでは、小久保をスライダーで空振り三振で、お役ごめん。その直前のカウント2-0から、鶴岡捕手がマウンドへ駆け寄り、打ち合わせをした。「それは作戦的なものなんで」と多くは語らなかったが、向き合った小久保が感じた1対1の駆け引きを、こう証言した。

 小久保

 あの時だけタイミングを外された。オレが右打ちするのを知っとったんやろう。あの時だけ(投球動作中に左)足をゆっくり上げていた。体が前に出てどうにもならなかった。そういう投手だから。

 ハーラー単独トップ13勝目。奪三振数とともに、西武涌井を抜いた。球宴での右肩の打撲が心配されたが「あれで倒れているようじゃ、いかんでしょ。プロなんで仕事をするのが当たり前」。その打球は顔面に向かってきたが、よけた代償が打撲だった。もし顔面ならば、日常生活もままならない重傷を負っていた可能性が濃厚。危機回避能力の高さも表れた、軽症で済ませ、軽々とこの日も役目を終えた。すべてに非凡さを、証明した一夜。ダルビッシュ自身も、当たり前に受け入れる日常だった。【高山通史】

 [2009年8月1日8時38分

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