<中日2-9阪神>◇6日◇ナゴヤドーム

 開幕12連勝をかけて先発した中日川井雄大投手(29)が阪神打線に13安打を浴び、KOされた。落合博満監督(55)は、大量失点後も川井をあえて続投させ、6回120球9失点で今季初黒星を喫した。中日は試合のなかった首位巨人と差を詰められず、1・5ゲーム差に開いた。

 中日川井の開幕からの連勝が11で止まった。

 初回1死一塁で3番鳥谷を迎えた場面。アッと思ったときには遅かった。川井はプレートを外さないまま、一塁へのけん制動作を途中でやめてしまった。すぐにミスに気づき、西本一塁塁審がボークをコールすると同時に、誰にともなく頭を下げた。動揺は収まらない。鳥谷四球の後、金本から4者連続適時二塁打を浴び5失点。2回には新井に11号3ランを許した。

 「ボークは、最初からけん制を投げるつもりだった。走られたので止まってしまった。技術のなさです。早く自分のペースに戻せればよかったんですが」。

 昨年までプロ1勝の5年目左腕は、生まれ変わったように最多勝争いを繰り広げていた。「連勝を意識しないようにと思うと逆に意識してしまう。だから何も考えないんです」。独特のメンタルコントロールでつないできた記録は、自己ワーストの13安打、9失点と派手に打たれて途切れた。「そりゃ負けますよ、人間ですもん」と振り返った。

 落合監督は「十分、連勝の重圧を楽しんだんじゃないか?

 これでやっと解放されるでしょう。みんなが重圧かけてくれたから」と笑みを浮かべた。あえて川井に6回まで投げさせた。指揮官の思いにこたえた川井は3回からの4イニングを1失点。出直す手ごたえもつかんだ。チームの連勝は3で止まり、ナゴヤドーム連勝も10でストップ。それでも、落合監督は「負けるときはこんなもんだ」と豪語した。【村野

 森】

 [2009年8月7日9時24分

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