<横浜4-3中日>◇8日◇横浜

 長い4時間42分の試合をサヨナラ負けで落とした。最後は7番手小林正が横浜内川の遊撃内野安打を浴びた。あと一押しが足りなかった打線。その象徴が主砲トニ・ブランコ外野手(28)の不発だった。

 1点ビハインドで迎えた8回、1死満塁。左翼席から大声援を浴び打席に入った大砲は、カウント1-1から横浜4番手山口の投じた高めのスライダーを力任せにひっぱたいた。打球は遊撃石川の真正面。6→4→3のダブルプレー。最大のチャンスで待っていたのは最悪の結果。ブランコはうつむきながら首をかしげてベンチへと戻った。

 頼れる男が深刻な打撃不振に陥っている。30本塁打でセ・リーグの本塁打争いをリードしてはいるが、7月29日の巨人戦(東京ドーム)から、代名詞とも言える豪快なアーチがストップ。来日以来、最長となる9試合も本塁打が出ていない。前日7日の横浜戦では2打席目から4打席連続三振。この日も1打席目から2打席連続三振で連続三振を自己ワーストの「6」まで伸ばしてしまった。

 後半戦に突入しブランコへの警戒は高まっている。際どいコースを攻められ、四球はセ・リーグトップの「11」。内角を意識して、外角のボール球に手が出る。その悪循環を繰り返している。この日、4打数無安打に終わったブランコは通訳を通じて「今日は何もありません」とコメントし、険しい表情で球場を後にした。落合監督も「何もない。ただ負けただけ」とうっすらと笑みを浮かべた。横浜戦の連勝は「9」でストップ。巨人とのゲーム差も2・5に開いた。それ以上に主砲の沈黙が気がかりだ。【桝井聡】

 [2009年8月9日12時18分

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