<ソフトバンク4-2日本ハム>◇27日◇福岡ヤフードーム
左腕が完全復活を果たし、チームをV戦線に踏みとどまらせた。ソフトバンク大隣憲司投手(24)が、日本ハム打線を9回途中5安打2失点に抑え、今季8勝目。中継ぎから先発復帰し、これで2連勝だ。キレのある直球を武器に、チーム最多勝(11勝)だった昨年の姿がよみがえった。首位日本ハムとのゲーム差は再び3・5。今季3勝1敗とハム料理が得意な左腕は、次回10月4日の対戦(札幌ドーム)、クライマックスシリーズ(CS)でもフル回転する。
期待の左腕が日本ハム打線を9回途中、5安打2失点に抑えた。目深にかぶったキャップの奥から相手を見下ろす、たくましい投球だった。昨年チーム最多11勝を挙げた大隣が、完全復活を告げた瞬間だった。
大隣
完投したかったけど勝ったんで。中継ぎの人が今までフル回転して、延長2試合してのデーゲームだった。しんどさがあるし、今まで中継ぎの人に迷惑をかけることが多かったし、今日こそはと思った。
首位との大一番は2試合連続延長12回を戦い、1敗1分け。負ければ逆転Vは絶望的に、さらに3位転落の可能性もあった。前日26日は周囲に完投を宣言してひと足先に帰宅。この試合の意味を感じていた。「初回以外は波に乗れた」と6回まで内野安打1本のみ。緩い投球フォームで出所を遅らせた直球が手元で伸びた。「フォームを変えて自分で納得のいく球が増えてきた」。直球が走るから各球種で8三振を奪えた。
4四球は今季ワーストタイながら、7回の中田、8回の代打小谷野といずれも得点圏に走者を置いた場面で、この日最速の145キロをマーク。今季初完投寸前の9回に2安打を許し、1死一、三塁で交代を告げられた。悔しさで顔を真っ赤にした。それでも今季最長8回1/3、最多137球の熱投。これで先発復帰から今季初の2連勝、8勝目を挙げた。
今季は走者を出しては1発を浴びる繰り返しで、小久保にマウンド上で説教を受けたこともあった。3日オリックス戦後には中継ぎ降格。「プロに入ったからには、こいつを取って失敗したと(球団に)言われたくない」。反骨心を燃やした。4度のリリーフを経て、結果を出した。
自信が回復した今、ピンチで過度な緊張も、焦りも感じない。この日は小久保を一塁で笑顔のままでいさせた。ブルペンでは精度アップと同時に今後のためにカーブを練習中だ。「僕は内に入る球(スライダー)と外に逃げる球(チェンジアップ)しかない。球速が近いし、緩急をつけたい」と向上心も高まっている。
次回は10月4日の日本ハム戦に先発予定で、CSでの対戦も予想される。首位相手に今季3勝1敗と好相性を示した大隣は、「連打さえ許さなければいい。1人1人、気持ちをしっかり持って投げれば相手がどこでも結果はついてくる」ときっぱり。チームは連敗を3(1分け挟む)で止め、日本ハムとは再び3・5ゲーム差とした。「十二分に仕事をした」と大隣に賛辞をおくった秋山監督は、楽天4連戦に向けて「重要なところ。プレッシャーを楽しんでやろう」と目を輝かせた。完全復活の左腕が希望をつないだ。
[2009年9月28日10時58分
紙面から]ソーシャルブックマーク




