日本ハムが「超スモールベースボール」で頂点を狙う。31日、日本シリーズが札幌ドームで開幕する。セ・リーグ王者巨人との対戦に向け、梨田昌孝監督(56)は30日、ターメル・スレッジ外野手(32)以外の全選手に対し「送りバントあり」の姿勢を打ち出した。12球団最多の168犠打を記録したシーズン中同様、つなぎの野球で強力打線を倒しにいく。

 大きな舞台だからこそ、小さく、小さく-。巨人との頂上決戦に向け、梨田監督が落ち着いた口調で「つなぎ」を強調した。「(高橋)信二だって4番で(本塁打を)8本しか打っていないけど、バントも右打ちもする。派手なことはできないけど、いろいろなことをやりながらつないでいく。バントのサイン?

 スレッジ以外はね」。楽天とのCS第2ステージで劇的サヨナラ弾を放ったスレッジ以外は送らせる、超スモールベースボールで日本一を狙う。

 12球団一の182本塁打を放った巨人相手だからこそ、背伸びはせず“普段着”で臨む。1、2戦目は43勝20敗1分け(CS含む)と勝率6割8分3厘を誇る本拠地札幌ドームで戦う。「ここは(バットを)振り回したってそう入るものじゃない。応援してもらえれば、またすごいことが起こるんじゃないかと思う」と梨田監督は言った。打者一巡を14試合も記録した神懸かり的な連打で、相手の「大砲」に対抗する。

 リーグトップタイの43犠打を記録した森本を筆頭に、犠打数2ケタが6人いる日本ハムに対し、巨人は松本の1人のみ(投手をのぞく)。高橋は「比較されるのも困りますね。向こうもやりにくいんじゃないですか」とニヤリ。稲葉も「1発で勝てるチームじゃないし、いやらしくやって、淡泊にならないようにしたい」と意気込んだ。WBCではスモールベースボールを駆使して世界の頂点に立った原監督に、さらに小さな野球でひと泡吹かす。【本間翼】

 [2009年10月31日9時34分

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