阪神金本知憲外野手(41)は、来年1月に鹿児島・最福寺で行う毎オフ恒例の炎熱修行・護摩行で、瞑想(めいそう)時間を増やし、肉体的な忍耐力より、心の鍛錬に挑むことが23日、分かった。金本に護摩行を課している同寺の池口恵観法主(73)が明かしたもので、鍛え上げた肉体を心の強さでさらに強化することになる。
温度は想像を絶する400度、炎の高さは3メートルにまで及ぶ護摩行。火の粉を浴び、肉体的なダメージも大きいが、来年は激烈というより、1人静かに心の鍛錬に重きを置く。
この日、高野山大(和歌山・高野町)で、日本予防医学会講演会を開いた池口法主は、弟子の金本らをゲストに呼び、オフの修行方針を告げた。「金本には、いつもと違うメニューをやらせたい。今年は前半は良かったけど、後半にばてた。最後まで1年を戦えるように、瞑想(めいそう)の時間を増やす」。瞑想修行によって極めて高い集中力を養い、現状をすべて受け入れる究極の強さを養うという。
金本は今季、4月は2度の3打席連続本塁打を含む8本塁打、打率3割7分9厘で30打点と、ロケットスタートを決めた。3冠王も夢ではない数字だった。しかし、その後は下降線をたどり、最終的には打率2割6分1厘、21本塁打と不本意な成績に終わった。
さすがの鉄人も41歳のシーズン。肉体的な衰えも心配されたが、これについては、既に9月に血液検査を受け、体調面に不安がないことが確認された。ならば、残るは心―。池口法主もこれを不安視し、来年の護摩行の方針を決めた。「彼は筋肉は人一倍鍛えている。ただ、それを支えるのはエネルギー、心だ。気持ちを強くすれば、もっと肉体も強くなる」。例年4~7日間で、複数回の護摩行を行っており、来年の日程はまだ決まっていないが、いずれにせよ炎の前の修行より、心そのものの修行に多く時間を割く。
実際、金本本人も、この日の講演で、今季の成績について「やっぱり(開幕直後に)打ち過ぎたがために、1人ぼっちになって、マークが集中して、精神的になえた。(好機に打席が回ってきても)ああ、どうせまたフォアボールかって思ったし、気持ちが切れたのは事実」と告白した。1度切れた心の糸は簡単に戻るものではなく結局、シーズン終了まで、気持ちだけが空回りしていった。
こんな金本の悩みを、師匠の池口法主は言わずとして、受け止めていた。来年オフで11年目の護摩行になるが、同法主も「ここまで続けた人は記憶にない」と語る。さらに「もう、金本には新たなステージをやらせる」といい、フルイニング連続出場記録と同じく、護摩行でも未知の領域に入る。
昨オフまでは2年連続、ひざの手術をするなど、肉体の不安も抱えながらのスタートだったが、今オフは現段階で予定はない。瞑想修行を完遂すれば、最強の肉体に鋼の心を身につけ、来季へ向かうことになる。【村上久美子】
[2009年11月24日11時25分
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