手だけじゃなかった。ヤクルト由規投手(20)が21日、宮城・多賀城市の母校仙台育英で自主トレを開始した。今季、右手のマメで4度も戦列を離れたが、実は右足親指の外側のマメにも苦しんでいた。マメ完全撲滅へ、足型を取った特注インソール(中敷き)を作ってもらい、練習を開始した。故障のないパーフェクトな体を得るため、まずは“足場”を固める。

 剛速球右腕に、新たな悩みが判明した。汗をかきやすい体質の由規は今季、右手にマメをつくった影響で4度も出場選手登録を抹消された。7月の球宴では初選出されたが、中指のマメをつぶしていた影響で代走出場に終わっていた。しかし、痛いのは手だけではなかった。「足にも何度かできてたんですよ。クライマックスシリーズ(CS)の時も皮がめくれて痛かったんです…」。CS第1ステージ第3戦の中日戦、4回2失点で降板していた由規は、投球時に軸足として土を蹴る右足親指の外側部分にマメを抱えていた。

 シーズン終了後、対策に動いた。今月13日に自らミズノ社に出向き、両足の足型と足裏の重心の掛かるポイントを測定。特注の専用インソールを作ってもらった。問題の右足親指や、投球時に踏み出して体を支える左足外側の部分などは厚くなっており、負担が軽減される構造になっている。この日、母校のグラウンドで、初めて“新兵器”を入れたスパイクを履いて投球練習を行った。「フィット感がいい。これなら大丈夫そう」と感触はいい。

 手のマメについては、近日中に皮膚科で診察を受けることも検討中。個人的な趣味も兼ねて、ピアノに挑戦することで指先の皮膚の強化に乗り出す考えもある。それでも、体全体を支える重要な足の悩みが改善されるめどがつき、由規の表情は自信に満ちあふれている。「万全な体でシーズンを戦いたい。けがで投げられないのは、とても悔しい。同じことを繰り返したくない」。1年目は2勝1敗、2年目は5勝を挙げたが10敗した。3年目の来季、マメを克服してフル回転する。【由本裕貴】

 [2009年12月22日8時20分

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