100万円の投資から無限大の“利益”を得る。広島会沢翼捕手(21)が24日、広島市内で行われチャリティーイベントに参加。「来季は絶対に1軍に定着したい」と4年目となる10年の決意をにじませた。来年1月には、主砲栗原の米アリゾナ自主トレに帯同。来季年俸は推定650万円だが、約100万円の自己投資で戦いの下地をつくる。1軍定着なら、目標とする阪神城島のリードや打撃などを直接見ることができ、その効果はプライスレス-。

 プロ4年目に勝負をかける。会沢は「来季はケガをしないことと、絶対に1年間、1軍に定着したい」と目標を明確に口にした。「雰囲気とか観客の多さとか、緊張感とか全然違う。ベンチで見ているだけでも配球などの勉強になりますから」と目を輝かせる。

 今季は5月末に初めて1軍に登録されるなど計41試合に帯同。7試合でスタメンマスクもかぶるなど15試合に出場した。実戦の中で先輩の石原や倉のリードを見て考え、中日戦で打席に立ったときには、谷繁のリードにほんろうされ、そのすご味を実感したという。

 来季は新たに最高の“教材”も加わる。阪神入りした城島だ。「城島さんをぜひ生で見てみたい。リードとか打撃とか…体は強いし座ったままスローイングもしますよね」と期待感でいっぱいだ。同じ右打者でもあり、打撃面でも相手の配球をどう読むかなど参考にできることが多い。

 1軍定着のために、自己投資も惜しまない。約100万円をかけて、チームの主砲栗原が毎年1月に自主トレに出向く米アリゾナ州のトレーニング施設に、先輩鈴木とともに初めて参加する。米国のトレーニングには前から興味があり「早い時期に経験しておきたかった」と自ら栗原に頼み実現させた。1月早々に渡米し約2週間、メジャー選手もやってくる施設でみっちりと鍛える。

 今季の活躍でオフには年俸が150万円アップしたが、そのアップ分をそのまま海外自主トレに回した格好。1軍定着だけではなく「出場試合数をもっと増やしたい」と意気込み、広島に復帰した高橋建らベテランにも“取材”して配球などを学ぶつもりだ。貪欲(どんよく)に吸収し、100万円の投資から大きな利益を得る。【高垣

 誠】

 [2009年12月25日10時26分

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